第一生命ホールディングスの評判はどう?
どんな仕事内容で職種の振り分けはどういう意味?
「辞めたい」って声をよく聞くけど実際はどうなの?
今回は第一生命ホールディングスで働いている女性社員にインタビューし、会社の評判を教えてもらいました。
かなり赤裸々に実態を語ってもらいましたので、これから転職を検討している人や、生命保険会社を辞めたい人は必見です。
国内大手生命保険会社である第一生命ホールディングス株式会社、憧れの超大手企業なのに、辞める人や退社希望者が後を立たないのは何故でしょうか。
今回は、第一生命ホールディングス株式会社がどのような会社で、何故辞めたいと思う社員が多いのかを解説します。
第一生命ホールディングス株式会社 概要
こちらでは、第一生命ホールディングス株式会社の会社概要や採用形態を紹介します。
会社概要
第一生命ホールディングス株式会社は国内外で生命保険事業を営む会社です。1902年の創業以来、生命保険事業などを通じ、その時々に必要とされる安心をお客さまに提供するとともに、社会課題の解決に貢献してきました。従業員数は約6万3000人です。
日本国内のグループには、主に以下の会社が存在します。
- 第一生命保険株式会社
- 第一フロンティア生命保険株式会社
- ネオファースト生命保険株式会社
- アセットマネジメントOne株式会社
- 第一生命経済研究所
- QOLead
- 株式会社第一ビルディング
- 第一生命リアルティアセットマネジメント株式会社
- 日本物産株式会社
そのほか海外に11のグループ会社があります。
採用形態について
新卒採用は大きく3つの採用形態に分かれています。
基幹職
第一生命グループのビジネスフィールドで幅広く活躍できる職種です。
入社当初は広く会社の業務に携わり、将来的には全社的なマネジメントやビジネスのプロフェッショナルを目指すコースと、組織の中核人材候補として特定のビジネスフィールドにおいて専門性を生かした価値創出を行うコースがあります。
コースは以下の通りです。
【オープンコース】基幹総合職(G型・A型) | 幅広い職務領域で高付加価の業務を経験し、将来的に全社的なマネジメントやビジネスのプロフェッショナルを目指す職種です。いわゆる昔の総合職をイメージください。G型は転居を伴う転勤あり、A型は転勤なしで、業務内容に違いはありません。 |
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【スペシャリティコース】基幹総合職(G型・A型) | 培ってきた専門性を活かし、将来の経営幹部候補、ビジネスのプロフェッショナルとしてキャリア形成が可能なコースです。コースはアクチュアリー、クオンツ・データサイエンティスト、建築・設計、IT・システムがございます。G型が転居を伴う転勤あり、A型は転勤なしで、業務内容に違いはありません。 |
【オープンコース】基幹業務職A | お客さま接点や付加価値創造業務を中心に経験し、将来的に組織におけるリーダーシップの発揮や深めた専門性を活かした価値創出を行う職種です。いわゆる一般職、エリア総合職と言われる職掌をイメージください。転居を伴う転勤はありません。 |
【オープンコース】基幹業務職B | 事務を中心とした定型業務を中心に経験する業務です。転居を伴う転勤はありません。 |
※基幹職は2020年度から上記の制度に変わります
機関経営職
「リーテイル分野」を担うべく、入社後5年間を育成期間と位置付け、営業オフィス経営のプロフェッショナルを目指していく職種です。「保険のおばちゃん、生保レディ」と言われる従業員を統率し、現場で保険販売の目標を達成するべく働きかける職種です。営業はもちろん、マネジメント・人材育成・マーケティング等に携わりながら成長できます。給料はそれなりに高いですが、その分心身共に負担がかかる仕事です。心を病む社員も多いので、就職するかどうかよく検討してください。
ライフプロフェッショナル職
主に企業や官公庁で働くお客様に対して、直接保険営業を行う職種です。毎月ノルマが課され、実績に応じて給与が変わります。お昼休みなどに、企業や官公庁に出向き、高いコンサルティング能力を発揮しながら保険のスペシャリストとして、お客様1人ひとりのライフステージの変化や多様なニーズに応じて最適な保険提案を行う職種です。
生涯設計デザイナー
自宅を訪問し、保険販売する仕事です。いわゆる「保険のおばちゃん、生保レディ」と呼ばれる職業です。
新卒では募集しておらず中途採用中心です。
基幹職のキャリア、適性
基幹職のキャリアイメージ、市場価値はどれほど上がるのか、どのような人に向いてるのかを紹介します。
第一生命ホールディングス株式会社を検討する際はぜひ参考にしてください。
入社後どのようなキャリアが積めるのか
基幹総合職、基幹業務職は約3年〜5年で異動を繰り返しながら様々な部署を経験し、ジェネラリストとして活躍できるようになります。
基幹職G型で入社の場合、入社し3年ごとに支社、本社の両方を経験することになります。
その後は本人の希望と適性で、以下の配属先に配置されます。
配属先は大まかに3つにわかれ、どれかに携わる部署になります。
- 国内生命保険事業
- 海外生命保険事業
- 資産運用・アセットマネジメント事業
さらに細かく8つのフィールドに分かれます。
- リーテイル分野
- ホールセール分野
- 資産運用分野
- 海外事業分野
- アンダーライティング分野
- IT・システム分野
- 企画・管理分野
- 窓販・代理店分野
なかなかイメージがつきにくいですが、下記のような仕事内容です。
- 各種電話応対
- お預かりした保険料の運用
- 営業職員の実績管理や施策管理
- 保険業務のシステム構築や管理
- 国内に数万人いる営業職員の人事関連業務
- 個人向け及企業向け各種保険の新契約の引受や保全に関連する事務
もちろん一般的なコーポレート部門もあります。
基幹業務職も同じように3つ部門に分かれており、どれかに携わる部署に配属されます。
- 国内生命保険事業
- 海外生命保険事業
- 資産運用・アセットマネジメント事業
本人の適性や希望に応じて、何年も同じ部署で働く社員もいますし、自宅から通える範囲内で数年毎に異動する社員もいます。
基幹職の仕事は大部分が事務です。
社内のデータベースへ打ち込む作業や書類のチェック、実績管理など、それぞれの仕事が細分化され、マニュアル化されています。
とくに実績管理はエクセル・アクセスを使用するので、一通りPCスキルが身につきます。
20〜30代社員はマクロを組めるレベルまで習得している方が多いです。
一つの部署ごとに覚えることは膨大にあり知識を深めることができます。
他部署での仕事と関連のある知識も多いので、部署異動を重ね、長く勤務するに連れて、会社の全体像が見えてきてより仕事がしやすくなるようです。
ただ、原則異動が付き物なので、一つの分野で専門性を高めることは難しいケースが多いです。
市場価値はどれくらい上がるのか
生命保険業界内での価値は上がるでしょう。
大企業なのでコンプライアンス意識や金融リテラシー、金融周辺知識が一通り身につきます。
社員教育にも積極的で、海外展開も活発に行っているためTOEICも定期的に受験しますし、部署によっては日経テストの受験を推奨しているため、社会人としての常識が身につきます。
また、本人が希望すればe-Learning、資格取得奨励金、トレーニーなどの制度も整っているので、自己啓発も可能です。
歳を重ねるごとに、保険業界で必要とされる知識と経験値が増えていきます。
また、膨大なデータを扱っていて高度なPCスキル(マクロ、アクセス)が求められる部署も多いので、必然的にPCスキルが身につきます。
以上より、生命保険業界内での市場価値は間違いなく上がります。
また生命保険業界関係なく、企業に収益をもたらす人材になれる可能性があり、その意味でも市場価値は上がります。
とくに営業関連部門は「収益」を常に意識した仕事が求められます。
保険会社でいう収益は、保険契約の獲得によってもたらされるものが大部分ですが、国内生保は飽和状態で新たな収益源を探っている最中です。
営業部門ではこれまで通りの仕事をこなすだけではなく、新しい付加価値や収益源を生み出し、企業に利益をもたらす仕事が求められます。
このような環境に身を置く中で、企業に利益を与えられる人材になれば、生命保険業界内外で個人としての市場価値は高まるでしょう。
基幹職に向いている人
「対人能力(人を動かすのが得意)」
社内外様々な人と連携を取りながら進める仕事が多いです。また、生命保険業界特有な文化ですが、保険契約を獲得してくれる営業職員を持ち上げ、上手に動かすことが求められます。基幹総合職の上司(90%男性)が基幹業務職の部下(100%女性)をマネジメントする際もも同じです。
「整理整頓が得意」
部署ごとに膨大な情報量や、法律も絡まった複雑な事務ルールに従って仕事を進める必要があります。それらを複雑に捉えず、単純化して作業することができれば、それほど難しい仕事はありません。頭の中での情報整理や実務的な書類の整頓などができれば、この会社の仕事は問題なくこなせるでしょう。
第一生命ホールディングス株式の基幹職を何故辞めたいのか?考察
ここでは、第一生命ホールディングス株式会社を何故辞めたいのか、年収や社風、世間からのイメージや実際に辞めた社員を元に考察します。
年収
入社1年目〜3年目 | アソシエイト 400万〜500万 |
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入社4年目〜5年目 | アソシエイト(チーフ) 600万〜650万 |
入社6年目〜12年目 | アシスタントマネージャー 800万〜900万 |
入社13年目(最短) | マネージャー 1000万〜1100万 |
部長クラス | 1200万〜1400万 |
1年目から6年目まではエスカレーター式に全員上昇します。
(チーフ昇格の際、スタンダードライセンスの取得は必須(ファイナンシャルプランナー2級、簿記3級、生命保険講座、応用課程試験、損保募集人資格)
それ以降の昇格には個人差があります。
基幹総合職の場合、勤続15年までは住宅手当てが支給されます。勤務地に応じて家賃の上限が決まっており、その上限金額の8割補助が出るイメージです。首都圏だと上限8万円なので最大6万4千円補助されます。また、転勤する場合は転勤手当てが付与されます。
アソシエイト | 350万〜450万 |
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アソシエイト(チーフ) | 450万〜480万 |
アシスタントマネージャー | 600万〜700万 |
マネージャー | 800万〜900万 |
部長クラス | 1000万〜 |
基幹業務職の昇格は一律ではありません。昇格の基準はスタンダードライセンスの取得以外は曖昧です。
一生アソシエイトのままの人もいます。その場合400〜450万程度で頭打ちです。
ただ、中には会社のロールモデル的に基幹総合職と全く同じスピードで昇格する人が同期に1〜2人います。
昇格した場合、上記のように基幹総合職の給料に8掛けのイメージです。基幹業務職に住宅手当は一切ありません。
中途採用の昇給面の実態
中途採用の場合は、年齢と前職の給料をベースに、上記のアソシエイト・アソシエイト(チーフ)・アシスタントマネージャー・マネージャーといった資格での入社となります。
アソシエイトで中途採用される人(1〜3年目の若手)は見かけたことがありません。
基幹総合職の中途入社の場合、エスカレーター式にアシスタントマネージャーまでは昇格するようです。その後は実力次第です。
管理職以上のポストが詰まっている
最近はポストに空きがないため、マネージャー以降の昇格の競争が激しいです。
そのため、アシスタントマネージャーに昇格後は年収が横ばいになるケースも多く、30代半ばから他業種に年収が追いつかれ、やる気がでなくなる社員も多くいます。
この頃に転職する社員も多いです。
基幹業務職は、基幹総合職に比べて給料や抑えられており、かつ住宅手当も一切支給されないにも関わらず、仕事内容に明確な違いがないため、割に合わないと感じることもあるようです。
基幹業務職は昔の一般職のような職掌ですが、最近は早慶卒業した社員も良く入社します。
高学歴で優秀な基幹業務職は頑張っても報われず、入社数年で辞めていくケースも良くあります。
古い社風
2020年7月より新しい人事制度が始まりますが、まだまだ年功序列が色濃く残る会社です。
コース別に採用している(総合職・一般職)の考え方も古いですし、事務職はどのように頑張ったたら昇格できるかが明確ではなく、モチベーションが保たれにくいです。
また、数年ごとに担当替えが発生することが大半なので、専門性が身につかず、転職に不利となります。
そのため辞めたくても辞められない状況の40代〜50代が多くを占め、どんよりした空気が漂う部署もあります。
世間体
生命保険会社というと、世間体は良くないようです。
世間の人が生命保険会社と接点をもつのが、企業の昼休みに声かけをするセールスレディ、しつこい自宅への営業、ハローワーク前で採用の声かけをしている社員といったケース大半なのでそのようなイメージがついているようです。
生命保険会社に勤務しているというだけで蔑まれ、嫌悪感を示されることも良くあります。
確かに、マルチ商法に近しい営業手法のため、一度でも営業された人間からは警戒されます。
基幹職(特に総合職)の社員は、旧帝大や早慶を卒業した方が大半なので、頑張って大手企業に就職したにも関わらず、実際入社すると生命保険会社の世間からのイメージの悪さにギャップを感じ、辞めていく社員が後を立ちません。
保険に興味が沸かない
生命保険会社に就職する人は、就職活動の際に「やりたいことがない」場合が大半です。
そのため仕事内容というより、会社のネームバリューや給料などの条件で入社してきていることが多いです。
就職前は「保険に興味はなくても、給与がよければ頑張れる。」と思って入社してきたわけですが、実際仕事をしてみると興味が出ない業務が辛いと思うようになります。
そのような状況に割り切れる社員は給料のために頑張り続けますが、割り切れない社員は「自分が本当にやりたいこと」や「興味がある商品やサービスを扱っている会社」を見つけ、キャリアを変更していきます。
辞めた人から感じる会社の評価
辞めた元社員の声を集めました。
「あの会社の文化は独特のものだった」
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「古い社内ルールや生産性のない仕事が多すぎる」
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「業界に明るい未来がない」
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「やりがいのない仕事がしんどかった」
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このように感じている場合が多いようです。
働いているうちは仕方がないと思い込んでいたものの、一旦この狭い世界から出ると、業界の常識の異常さが浮き彫りになるようです。
どうしても会社の文化や古い慣習が合わない社員が辞めていくようです。
第一生命ホールディングス株式会社の営業職を何故辞めたいのか?考察
ここでは、第一生命ホールディングス株式会社で働く営業職が何故辞めたいと感じるのか?実際に辞めていくのかを考察します。
ノルマ
機関経営職、ライフプロフェッショナル職にはノルマが付き物です。
いわゆるブルーカラーと呼ばれる職種で労働環境や労働条件はブラックです。
機関経営職は保険の営業職(社内では生涯設計デザイナーと呼ばれる)がノルマを達成できるようにマネジメントする仕事です。
偏見ですが、保険の営業職に就く方はシングルマザー、他の会社では雇ってもらえない能力の方など、少しクセのある、悲壮感漂う方も多く、マネジメントがとても大変なケースもあります。
そのような方を動かし、保険獲得のノルマ達成のために一緒に保険を取りに行きます。
時には半ば強引な営業手法で営業をかけることもあり、ノルマ達成は精神的にも大変です。
ノルマ達成と、その苦情対応に追われることになります。
また、機関経営職は新たな保険営業職の採用もノルマです。
毎月ノルマが決められ、「一緒に働きませんか?」とハローワークや様々なイベントで声かけします。
この採用ノルマも厳しいものです。
ライフプロフェッショナル職や生涯設計デザイナーは、数年間は給与保証がありますが、それ以降は歩合制です。
保険契約が獲得できないと種乳がなくなるわけですので、あの手この手を使って営業をかけます。
中には枕営業や合コンやアプリで見込み先を見つけ、しつこく営業をかける人間も存在します。
働くうちにどんどん性格が強くなっていきます。気が強く図太い人間だけが残れる世界で、普通の人間は辞めていきます。
古い社風
古い営業手法と現実とのギャップに心を病み、会社を辞めていく人が後を立ちません。
「手当たり次第営業をかけろ」[/speech_balloon]
「断られた時が始まりだ」[/speech_balloon]
「とにかく断られても足を運び続けろ」[/speech_balloon]
などと、古臭く胡散臭い営業手法を上から強要されます。
50年前であれば良かったのでしょうが、今は保険は飽和状態、コンプラにも厳しい世の中ですので、このような営業は世の中から嫌われますし、営業する本人も心を病みます。
優しい心の持ち主は辞めていきます。
まとめ
生命保険業界に未来はない!今すぐ転職しよう
生命保険業界は、国内では飽和状態で右肩下がりなので、今後厳しい状況が予想されます。
このような厳しい状況下では会社存続のために、営業職は人から嫌われるしつこい営業も強要されるため、精神的にやられる人間が多いです。
基幹職(内勤)も、そのような営業職を支えたり、営業を支援する業務が大半なので、このビジネスに興味がないと、しんどい日々が一生続きます。
生命保険業界でしんどい思いをしている人は、目先の条件や給与ばかりに心を奪われることなく、長い目線で将来を考えて転職を検討しましょう。
辞めたらきっと新たな世界が見えてくるはずです。