アクア、プリウス、カローラ、ヴィッツ、クラウン…国民に親しまれる、多数の人気車種を持つ「トヨタ」。
日本発の自動車会社ですが、アジアをはじめ全世界に展開しています。海外旅行をする際にトヨタ車を見たという体験をした方も多いのではないでしょうか。
そんなトヨタ車を生産しているのは「トヨタ自動車株式会社」です。
日本を代表するトップ企業で活躍したい、モノづくりに携わりたいと、トヨタに転職を考えている人も多いかと思います。
今回は、トヨタへの転職を考えている方へ向け、会社情報から採用までの道のり、採用のコツまで詳しく解説いたします。
【まとめ】トヨタ自動車株式会社への転職ポイント
はじめに、トヨタへの転職にあたり特徴的なポイントだけをピックアップします。
- 総合職では事務職・技術職ともに学歴と職務経験が要求される
- 2019年働きたい会社ランキング2位と、転職先としても非常に人気
- 期間従業員から正社員登用という道もある
上記3つのポイントを含め、以下でトヨタへの転職情報について詳しく解説します。
トヨタ自動車株式会社の基本情報
トヨタへの転職を目指すにあたって、まずは会社の基本情報を見てみましょう。
トヨタ自動車株式会社の基本情報
会社名 | トヨタ自動車株式会社 | |
---|---|---|
設立 | 1937年(昭和12年)8月28日 | |
本社住所 | 愛知県豊田市トヨタ町1番地 | |
代表者 | 豊田 章男 | |
従業員 | 370,870人(連結、2019年3月末現在) |
トヨタ自動車株式会社の歴史は、1937年に愛知県・豊田市に本社と自動車工場を設立したところから始まります。機械メーカー・豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)の自動車部から独立した形での設立でした。
設立直後には第二次世界大戦が起こります。当時、陸軍向けのトラックや航空部を創設し、航空ジェット機などの製造を行っていましたが、戦争による工場爆破やデフレの影響で経営危機に見舞われます。
しかし、軍事用トラックの生産、多くの銀行の融資、リストラなどを経て倒産の危機を乗り越えます。終戦後は乗用車の生産に力を入れ、クラウン、コロナ、カローラ、ハイエースなどロングセラーとなる車種を多数発表します。
1960年後半には、外国車の輸入が自由化されたことに対抗するため、1966年に大手トラックメーカーの日野自動車、1967年にダイハツ工業との業務提携を果たします。
また、この頃から公害問題や排ガス規制などに対処するため、これらの問題をクリアするエンジンを搭載した車種の販売に力を入れます。
1997年には現在でも人気の高いSUVのハリアーや、世界初の量産ハイブリッドカーのプリウスの販売を開始します。
2000年頃になると海外への販路拡大路線を推進し、2002年以降は年間50万台ものペースで海外販売台数を拡大させます。
2008年に起きたリーマン・ショックでは世界の自動車販売台数は急減し、トヨタも58年ぶりに赤字を経験します。
しかしその後、社内での価値分析による徹底したコストダウン活動や、アベノミクスによる円安などにより経営を回復させます。
2019年度の売り上げを見てみると、世界の販売台数が1074万2122台と、トヨタ史上過去最高数を突破しています。
2020年3月現在、北米、ラテンアメリカ、欧州、アフリカ、アジア、中東など世界中に生産拠点を持っています。
トヨタ自動車株式会社の業績
数多くの人気車種を抱えるトヨタ。時代に合わせてエコカーや電気自動車の開発にも力を入れています。業績を見てみても、安定して着実に売上を伸ばし続けていることがわかります。
2020年3月期(第3四半期)の決算情報を見てみましょう。まず売上高に関しては29兆5000億円となっていますこれは対前年同期と比較して2%の減少となります。しかし、営業利益は対前年同期と比較して1%増加の2兆5000億円を見込んでいます。
車の世界販売台数に関しては、対前年同期比で1%増加の1073万台の見通しとなっています。中国でのトヨタの販売台数は162万台、そのシェアは6%と日系メーカーでは首位となっています。
また、4~12月期の売上高は前年同期比で2%増加の22兆8301億円、営業利益は6%増加の2兆587億円となっています。純利益はなんと41%もの増加の2兆130億円となっています。ちなみにトヨタの過去最高益は2兆131億円です。2019年度の利益は限りなく過去最高益に近づいていると言えます。
同時期、国内のトヨタ以外の自動車メーカーひいては製造業全体が、米中貿易摩擦、原材料価格の高騰、為替の円高などによって業績悪化している中、トヨタは順調に利益を伸ばし続けています。
この要因は、RAV4やカローラなど人気車種の新モデルの好調な売上と、徹底したコスト削減にあるようです。
原価高騰や円高などの逆境にも関わらず、新モデル発表とコスト改善が実現されたことにより増利益となっているとまとめられます。
トヨタ自動車株式会社での働き方の特徴
世界中・日本中で圧倒的な知名度を誇るトヨタ。
その働き方を見てみると、日本の伝統的な大企業らしく規律と文化を重んじつつ、「働き方改革」に則った新しい制度も次々と生まれているようです。
トヨタでの具体的な働き方の特徴や制度について見てみましょう。
在宅勤務制度
トヨタでは、テレワークとしてFTL制度(Free Time and Location)が拡充されています。
在宅勤務の場所は原則自宅としており、勤務の開始・終了時は上司にメールで通知し、行った業務内容を記録することがルールとなっています。
この制度は、事務職、技術職(総合職)の大半が利用可能となっています。テレワークを推進するにあたり、社内でも電話・ビデオ会議、所在管理、画面共有などを行えるシステムの導入が進められています。
深夜の勤務は在社・在宅勤務合わせて月10時間以下を目安とされ、昼休憩に関しては職場(オフィス)と同じ時間帯で取得することが決められています。現在、週1回2時間の在社を義務化しているそうです。
また、東京に勤務する約1650人の社員については、2020年夏の東京オリンピック開催中の17日間は全員がテレワークとなることが決定しています。
効率を重視し徹底的にムダを省き業績を伸ばし続ける、トヨタらしい取り組みと言えますね。
年次有給休暇取得の促進
トヨタでは、社員のライフワークバランスも重視しています。
各職場で年次有給休暇の100%消化を目指し、計画年休の取得を勧めています。
参考までに、2016年の年間の有給休暇の取得日数の平均を見てみると、現業部門22日、管理部門19.5日となっています。この日数を取得率で見てみると、なんと97.4%となります。言葉だけの目標ではなく、実際に100%有休消化を目指していることがわかりますね。
会社が組織として有給休暇の取得を奨励していると、周りに気を遣って休みにくいということがなさそうです。
豊田市勤務の可能性が高い
トヨタは、本社を愛知県・豊田市に置いています。多くの日本を代表する企業が東京に本社を置く中、ひときわ目を引く本社所在地ですね。
豊田市は、全産業に占める自動車産業の割合が非常に高い、「クルマのまち」として知られています。これはもちろんトヨタの本社や工場、トヨタ関連会社が多く集まっているためです。
自動車や自動車関連会社は豊富にありますが、街自体はあまり都会でないようで、実際に豊田市で勤務経験のある人の声では「自身も地方出身者だがあまりの想像以上に田舎で驚いた」「街中を歩いても関係者しかいない」「都会育ちの方には退屈に思える可能性大」というものが多く見受けられました。
また、事務系・技術系総合職の配属先の比率はおおよそ「豊田市:名古屋:東京=6:3:1」という口コミもあります。
応募するポジションにもよりますが、豊田市で働く可能性が高いということは認識しておく必要があります。
転職前に1度、そこで暮らすイメージができるかどうか、実際に見に行ってみるのもいいかもしれませんね。
トヨタ自動車株式会社の社風と社員の口コミ&評判
日本を代表する企業のひとつ、トヨタ。
企業理念・行動指針である「トヨタウェイ」は世界的にも非常に有名で、それに関するビジネス書なども多数発売されています。
「トヨタウェイ」ではチャレンジ、改善、現地現物、尊重、チームワークが大切であるとされ、社風にもそれが表れているようです。
実際にに勤務・転職経験のある人の社風についての声を見てみると、こんな声が多いようです。
合理性・ロジックを重視する(技術)
部署にもよるが概ね体育会系(設計)
業務がシステマチックに細分化されている(調達)
真面目、誠実で努力を惜しまない企業体質(複数名)
昔ながらの日本企業(複数名)
実際にトヨタでの勤務経験のある人の声を見てみると、「真面目・誠実・愚直」という単語が非常に多く見られました。
これだけ力を持った大企業であっても驕ることなく誠実に目の前の仕事に取り組むこと、ルールや規律をきちんと守ることが徹底されていることから、そう感じる人が多いようです。
また、多くの人が社風について「昔ながらの伝統的な日本企業」と答えていることも印象的でした。これは、年功序列の昇進制度や、飲み会や社内イベントの多さ、調整業務が多いことなどからそう感じる人が多いようです。
一方で、実務においては合理性、ロジック、効率を重視することが文化として根付いているようです。このような思考方法がきちんと徹底されていることが、改善を重ね業績を伸ばし続けるトヨタの真髄とも言えそうですね。
日本を代表する、堅実で賢いモノづくり企業という、イメージ通りの社風なのではないでしょうか。
トヨタ自動車株式会社の福利厚生
トヨタは福利厚生も充実しています。
さすが大企業と言うべき、生活を豊かにするような制度が多数揃っています。
以下でトヨタに特徴的な福利厚生を簡単に紹介します。
①選択型福利厚生制度「ウェルチョイス」
トヨタでは、「ウェルチョイス」と呼ばれる選択型の福利厚生制度が用意されています。
これは、社員が多種多様な福利厚生メニューの中から必要なものを選択して利用し、あらかじめ付与された予算の範囲内で、会社の補助を受けられる制度です。
トヨタの公式HPを見ると、非常に豊富な選択肢が用意されていることがわかります。下記に選択できる制度の例を挙げます。
「ウェルチョイス」一例…各種健康診断/退職金/財形貯蓄/結婚情報サービス/介護に関する講演会/団体自動車保険/団体火災保険/事業所内託児施設/保養所利用サービス/連続年休制度/勤続記念休暇制度/車両購入資金貸付制度 /結婚・出産祝金、育児休業給付制度
上記はあくまで一例で、他にも様々な制度が用意されています。
多くの選択肢の中から生活やライフステージによって必要なサービスを選ぶことができるため、全社員が制度を有効活用できる仕組みと言えそうです。
②社宅・寮
トヨタでは、格安で住むことができる社宅や寮が用意されています。
まず社宅に関しては、各オフィスの所在地に合わせて、様々なタイプの部屋があります。地区により部屋の広さや家賃は異なりますが、例として2DKで3万円~、2LDKで4万円~など、格安で利用できることが多いようです。
原則として配偶者や子がいること、入居期限は10年間など、いくつかの入居条件がありますが、会社近くに家族で格安で住むことができるというのはメリットが大きいですね。
次に寮に関してですが、こちらも各オフィスの所在地ごとに用意されています。
寮も社宅と同じように、原則として30歳未満という年齢制限や、勤続6年未満のうち期間の長い人から入居可能など入寮制限がかけられていますが、光熱費込で格安で住むことが可能です。
圧倒的に賃料の安い社宅や寮に住むことで、お金を貯めることも難しくなさそうですね。
③有給休暇
トヨタでは、上記で見た通り100%の有休消化を目標としており、実際に97%と非常に高い消化率を達成しています。
有給休暇は年間20日間が付与され、なんと最大3年間の繰越が許可されています。つまり最大60日まで有給休暇を保有することができて、長期の私傷病や家族の介護等に備えることが可能となっています。
また有給休暇の取得促進のひとつとして、3Days Vacation(年1回以上の3連休での取得)が推奨されています。
社員の権利である有給休暇を、最大限に利用するような仕組みが整っていると言えます。
トヨタ自動車株式会社の転職者の平均年収
トヨタが転職先として人気な理由のひとつに、その年収の高さが挙げられます。
2019年3月期の有価証券報告書によると、従業員数は74,515 人、平均年齢は39.4歳、そして平均年収は851万円となっています。
同年の日本の給与所得者の年収が平均440.7万円であることを考えると、かなりの高収入であると言えます。
ちなみに、この年収は工場勤務者も含めて計算されています。そのため、大卒以上の事務・技術系の総合職の平均年収のみを考えると、30代で1,000万円を超えるという声が多いです。
実際にトヨタに勤めたことのある人の年収事例を見てみましょう。
営業 | (新卒入社・在籍10-15年)1030万円 |
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海外営業 | (新卒入社・在籍5-10年 )730万円 |
技術 | (中途入社・在籍3年未満)704万円 |
調達 | (新卒入社・在籍15-20年)1150万円 |
技術 | (新卒入社・在籍3-5年)600万円 |
あくまで一例ですが、上記のような例が見られます。やはり総合職の年収は若手のうちからかなり高額であることがわかります。
転職の際に重視するポイントのひとつ、年収。
トヨタではどのように年収が決定されるのでしょうか。以下で詳しく見てみましょう。
トヨタ自動車株式会社の給料制度の特徴
トヨタは、日本の大企業であることから予想される通り、一定の役職・年次までは年功序列で給料が上がっていく仕組みになっているようです。
実際にトヨタで勤務を経験したことがある人の給料についての声を見てみましょう。
営業(新卒入社・在籍10-15年) | 基本的に大きく差がつかない制度/td> |
---|---|
海外営業(新卒入社・在籍5-10年) | 毎年の評価は部内の管理職全員で検討される |
技術(中途入社・在籍3年未満 ) | 上司と面談を行い、成果や能力がボーナスに反映される |
調達(新卒入社・在籍15-20年) | 管理職になるまでは毎年2-3%程度ずつ上昇する |
技術(新卒入社・在籍3-5年) | 年功序列だが、評価制度の見直しも行われている |
やはり、年功序列で若手のうちは大きく差がつかないという声が多く見受けられました。
一方、成果や能力がボーナスに反映されたり、成果・実力を重視した評価制度へとシフトしつつあるという声もあります。
時代に合わせコツコツと変化・改善を続けてきたトヨタ。評価・給料制度に関しても、時代に合わせ実力主義にシフトする可能性がありそうです。
トヨタ自動車株式会社の勤務地
トヨタは愛知県・豊田市と東京都・文京区に本社を、愛知県・名古屋市にオフィスを持っています。
また、その他愛知県を中心に全国各地に事業所・研究所・生産工場を持っています。
海外にも生産拠点や事業所を多数抱えており、総合職として入社した場合、事務職・技術職問わず転勤の可能性があるようです。
なお、総合職として入社した場合、各拠点に配属される割合としては、豊田:名古屋:東京=6:3:1程度であるという声もあります。
トヨタ自動車株式会社の求める人材
トヨタではどのような人材が採用されるのでしょうか。
トヨタの公式サイトの採用ページおよび実際に勤務経験のある人の声を参考に、具体的に考えてみましょう。
①「トヨタウェイ」を理解する
トヨタ公式HPの「新卒採用情報」ページには、求める人材像を理解してもらうためとして、「トヨタウェイ」について詳しく記載されています。
「トヨタウェイ」とは、全世界のトヨタ従業員が共有する価値観のことであると前置きし、下記のような説明がなされています。
「トヨタウェイは『知恵と改善』『人間性尊重』の2本の柱で成り立っています。現状に満足せず、高い価値観を追求し、そのために知恵を絞りつづけること、あらゆるステークホルダーを尊重し、従業員の成長と会社の成果を結びつけること、この2つを常に念頭において行動することが、すべてのトヨタで働くものに求められています。また、この2つの柱は、『チャレンジ』『改善』『現地現物』『尊重』『チームワーク』の5つのキーワードに分けられます。」
公式HPでは、この文章に続き上記の5つのキーワードについてのより詳しい説明もされています。
トヨタが非常に重視しているこの「トヨタウェイ」について理解・共感するということ、またそれを面接でしっかりと語ることが合格の可能性を高めると考えられます。
②【総合職】学卒以上・実務経験がある
トヨタの中途者向けの総合職ポジションへの募集要項を見てみると、事務系職種・技術系職種ともに学卒以上もしくは同等の経験が必須とされています。
それに加え、応募するポジションでの業務の実務経験が必須とされています。経験年数は職種によって異なりますが、概ね3~5年間の他社での実務経験が要求されています。
詳しい応募要項については、事務系職種・技術系職種ともに下記「トヨタ自動車株式会社で転職で採用されるためのコツ」にて例を挙げて解説しています。
まずは募集要項をよく読み、自分の経歴が応募条件をクリアしているか見極めることが必要です。
③【期間従業員】体力がある
トヨタでは、総合職の他に期間従業員という一定期間工場で働く従業員の募集も行っています。所謂「期間工」と呼ばれる働き方ですね。
総合職の応募資格が学位や実務経験が要求されるのに対し、期間従業員の応募資格は「3ヶ月勤務可能な満18歳以上の方」のみとなっています。
トヨタでは期間従業員の正社員登用を毎年300人以上と積極的に行っているため、正社員として働きたいけれど「キャリア採用」の募集要項は満たしていないという方は、まずは期間従業員として働くことを検討するのも手かもしれません。
ただし、期間従業員は工場勤務ならではの特殊な働き方となっていることに注意が必要です。
具体的に言うと「連続2交替制勤務」といい、 実働7時間35分 (1直・2直を1週間毎に交替)という体制での働き方となります。
例えば、1直(6:25~15:05)の勤務を5日間こなし、2日間の休暇を挟んで次の5日間は2直(16:00~翌0:40)の勤務となります。これを契約期間中続けるような勤務体制です。
工場で深夜に働くということから、体力や気力が必要であることが予想されます。
トヨタ公式HPの間従業員情報「よくある質問」というページを見ても、「仕事はキツイですか?」という問いに対し「決して楽ではありません」と回答がされています。
このことから、期間従業員としての働き方や勤務形態をよく理解しておく必要があります。
なお、期間従業員への応募資格は総合職のように細かいものでなく「3ヶ月勤務可能な満18歳以上の方」のみとなっています。
トヨタ自動車株式会社への転職の採用までの道のり
トヨタに転職する際、気になるのがその採用方法です。
トヨタでは、大卒者以上を対象した総合職の募集と、トヨタ工場の製造現場で働く期間従業員の募集をしています。
前者は「正社員」としての転職ですが、後者は直接雇用ではあるものの、期間限定の契約社員です。しかし、トヨタでは期間従業員の正社員登用の可能性が十分にあります。
ここでは、それぞれの職で「正社員」としての採用されるまでのフローを紹介します。
①【総合職】公式HPからエントリー
総合職では、各ポジションの応募条件をクリアしている場合、公式HPからエントリーが可能です。
「トヨタ公式企業サイト」右上の「採用情報」というタブから「キャリア採用」をクリックすることで中途者の採用ページにアクセスし、左の「募集職種検索」というボタンから、現在募集されているポジションを閲覧することができます。
このページから各ポジションの応募条件なども確認することができ、条件をクリアする場合は「この職種へ応募」というボタンからエントリーすることが可能です。
なお、エントリー後のフローは「書類選考→1次面接+適性検査→最終面接→最終面接合否連絡→内定」となっています。
通常、書類選考には約2週間、1次面接の合否判定については約1週間、最終面接の合否判定についても約1週間の時間がかかるようです。
また、内定した場合は約3か月後(最長最終面接日より6か月以内)に入社となります。入社月は、相談の上調整可能ですが、毎月1日が入社日となっています。
②【期間従業員】公式HPからエントリーし正社員登用試験を受験
トヨタでは、総合職の他に期間従業員という一定期間工場で働く社員の募集も行っています。所謂「期間工」と呼ばれる働き方ですね。
総合職の応募資格が学位や実務経験が要求されるのに対し、期間従業員の応募資格は「3ヶ月勤務可能な満18歳以上の方」のみとなっています。
また、トヨタでは期間従業員の正社員登用を積極的に行っています。その数は、2015年は387名、2016年は377名、2017年は316名、2018年は316名、2019年は305名にものぼります。
毎年コンスタントに300人以上の期間従業員の正社員登用を行っていることから、トヨタの正社員になる道のひとつとして十分に検討する価値があると考えられます。
トヨタに正社員として務めたいけれど、キャリア採用ページの募集要項は満たせないという方は、まずは期間従業員として働いてみるのも手かもしれません。
トヨタ自動車株式会社で転職で採用されるためのコツ
安定した業績に高い年収で転職先としても人気の高いトヨタ。実際に採用されるのはどのような人なのでしょうか。
転職者の口コミやトヨタの公式採用サイトから見えてくる、合格のコツを紹介します。
①応募資格を満たす
これはやはりトヨタへの転職にあたって最重要ポイントと言ってもいいかもしれません。
トヨタでは、募集ポジションごとに応募条件が設けられています。ここでは事務系職・技術系職それぞれの応募条件を見てみましょう。
まずは事務系職種「海外営業」の募集要項を紹介します。
応募条件 | <学位等> ・学士卒以上もしくは同等の経験 (2020年度内に、博士後期課程を卒業/修了見込みの方を含む) ■必要志向性/コンピテンシー *過去に経験があり、語れるエピソードがある方 ・コミュニケーション能力が高く、常に主体的に周囲に働きかけて 仕事を進めていける方 ・困難な壁にぶつかっても、諦めずに最後まで粘り強く臨める方 ・常に謙虚に自らと向き合って専門性を磨き続ける努力を怠らない方 ■必要スキル ・TOEIC:700点以上 ・数字への耐性が高い方(SPIの非言語スコアを重視) ・最低3年以上、他社での勤務経験がある方 |
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歓迎条件 | ・自動車業界での実務経験 (商品企画、価格設定、収益管理、オーダー・在庫管理、事業企画、販促企画 等) ・中国ビジネスに興味がある方 |
職務内容 | ・地域営業 担当地域・国の営業オペレーション全般を海外事業体と共に推進して、 台数・収益の最大化を目指します。 具体的な業務は、導入モデルの商品企画、販促企画、 モビリティーサービス企画、各モデルの販売価格設定、 担当地域・国のオーダーと在庫の管理 等 ・機能業務 将来起こり得る市場の変化、 お客様の期待値を先読みして、「もっといいクルマづくり」を 社内関係部署(技術、各地域の営業部、生産管理部、各カンパニー etc) と共に推進します。 具体的にはグローバルモデルの商品企画、事業企画、販促企画、ブランド企画、 価格・収益管理、グローバルでのオーダーと在庫の管理、等 |
これを読むと、一定の学歴と実務経験、高い英語力が求められていることがわかります。
次に、技術系職種の「ハイブリッド車・電気自動車の電池ユニット生産技術開発」の募集要項を紹介します。
応募条件 | <学位等> ・学士卒以上 以下1)、2)の要件をともに満たす方 1)以下のいずれかの技術領域で大卒レベル以上の知識を有すること ・機械工学 ・電気、電子工学 2)生産設備開発や電動車両の開発に関心を持ち 関連領域の設備開発・生産準備実務経験を有すること |
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歓迎条件 | 以下に関わる設備開発・生産準備実務経験を有する方 ・自動車用部品の製造設備開発・設備計画・工程計画 -機械加工、組立、締結、溶接技術等 -生産性検討、量産品質管理等 ・中国語でのコミュニケーションスキルを有する方 |
職務内容 | ■職種の特色 モビリティの電動化を実現するためのコア部品である ハイブリッド車・電気自動車の電池開発を通じて、持続的社会の 実現に貢献する意欲をお持ちの方を求めています。 ■業務の概要 CO2ゼロ化、多彩なエネルギーミックス社会実現のため、 モビリティの電動化が急速に進んでいます。その中でも、 電池はキーコンポーネントとして、世界中で開発がすすめられています。 トヨタでは、初代プリウスを世に問うて以来、電池セル、 制御機器部品、組電池ユニット、制御システム、生産技術まで 一貫して社内で開発を行い、世界トップの高性能新型電池開発を 続けています。 ■具体的な業務内容 ・HV・EV・PHV用新型電池ユニットの生産技術開発・量産準備 |
以上より、事務系職・技術系職ともに一定レベル以上の学歴・知識・実務経験が求められていることがわかります。
まずはこれらの条件を満たすことがトヨタへの転職の第一歩と言えそうです。
また、技術系職種は事務系職に比較し、ポジションが非常に細分化されているため公式HPの募集要項をよく読み自分に最適な職種を見つけることも重要になってきます。
②諦めない
「諦めない」と書くと精神論のように聞こえますが、そうではありません。トヨタでは、過去に応募したポジションに、再度応募することが可能なのです。
同ポジションへの応募は直近の応募から1年が経過した場合に限るという条件がつきますが、他のポジションへの応募であれば、期限関係なく応募することができます。
つまり、1度落ちたとしても繰り返し受けることができるということです。諦めず、どうしてもトヨタで働きたいという思いを持ち、実績を積んでから再度転職面接を受けるなど、挑戦し続けることがトヨタへ転職するには大切なポイントかもしれません。
また、トヨタでは期間従業員など契約社員からの社員登用も積極的に行っているので、まずは応募可能なポジションで働きそれから社員になる道を目指すのも一手です。
トヨタ自動車株式会社への転職の難易度
トヨタへの転職の難易度を見てみましょう。
転職サイトdodaがビジネスパーソン約5,000人に対し、「もし転職するなら、どの企業に転職したい?」というテーマで調査をした「転職人気企業ランキング2019」の総合部門で、トヨタは第2位を獲得しています。また、同ランキングのメーカー部門では堂々1位となっています。
このように転職希望者が多く閲覧するサイトのランキングで高い順位を獲得していることから、転職先としての人気も非常に高く、転職難易度も高くなっていることが予想されます。
一方、トヨタの公式採用HPを見ると事務系・技術系職種ともに幅広いポジションで募集がかけられていることがわかります。また、年間300人強という多くの期間従業員を正社員登用しています。
さらに、希望のポジションへ応募して不合格になったとしても、1年以上の期間をおけば何度でも再受験が可能となっています。
これらのことから、転職先としては非常に人気で難易度も高いものの、優秀な人材の募集は常に行われているということがわかります。
トヨタ自動車株式会社への転職方法
トヨタの転職方法は、大きく分けて2つあります。
①トヨタ公式サイトから応募
ひとつめの方法として、トヨタ公式採用HPから応募することが挙げられます。
エントリーは、公式HPの「採用情報」内の「キャリア採用情報」ページの各職種の募集要項が記載されたページから行うことができます。
また、応募はすべてインターネットからのみ可能で、郵送での履歴書の送付は不可となっています。
書類審査の結果はエントリー時に登録したメールアドレス宛に送付されます。書類審査には目安として約2週間かかるとのことです。
また、期間従業員への応募に関しても公式HPから公式HPの採用情報」内の「期間従業員情報」から応募可能です。
②転職サイトから応募
もうひとつの手段として、転職サイトから応募する方法があります。
トヨタでは特に技術系色に関しては多くのポジションがあり、募集状況も時期によって大きく異なります。
自分に合うポジションがあるかを相談したい、複数の会社への転職活動を同時並行で進めたい…。そんな時は、転職サイトに登録して、自分の能力や希望する条件に合うポジションを紹介してもらうと効率がいいかもしれません。
最後に
高い年収と知名度、安定した業績、充実した福利厚生のトヨタ。
安定した日本企業で働きたい、モノづくりに関わりたい、グローバルに活躍したいという人にはもってこいの企業です。
人気ランキング総合2位と、かなり転職先としての人気も高いことが伺える一方、不合格になっても1年以上経過すると再応募が可能であったり、期間従業員からの正社員登用を積極的に行っているなど、努力すれば入社のチャンスはある会社であると言えます。
トヨタへの転職を魅力に思えた方、挑戦しようかなと思えた方は、応募や転職エージェントへの相談をぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。