ゆうちょ銀行で法人口座が作れません。
ネットでは簡単って話だったのに・・・
法人口座がないと取引のお金を受け取れなくて困るんだけど・・・
今回はこの悩みを解決します。
結論からお伝えすると、起業したばかりの会社がゆうちょ銀行で法人口座を作るのはかなり難易度が高いのが現状です。
この記事を書いている僕も現在会社を経営していますが、ゆうちょ銀行で法人口座の開設ができませんでした。
しかし、法人口座の開設はある工夫をすることで簡単に出来るようになります。
実際、僕はゆうちょ銀行では法人口座を作れませんでしたが、ネットで法人口座の開設が難しいと言われている都市銀行であっさり作ることができ、問題なく取引ができています。
- 現在起業準備中で、必要な手続きに関する情報収集をしている人
- 既に起業して、法人口座開設の手続きをしているが、口座の開設ができずに悩んでいる人
- 一人社長、固定電話なし、資本金が少ない方で審査が不安な方
- ネット起業などで自宅兼事務所の方
僕の経験を元に法人口座を作る方法を解説します。
ネット銀行も全滅!ゆうちょ銀行も門前払い!
まずは僕が起業した時の苦労話を共有します。
僕は会社を退職した後、すぐに法人を設立して起業したので、法人口座の手続きは法人設立して1週間~2週間くらいのタイミングで始めました(調べ不足で後手後手に回っていました。。)
簡単に当時の僕の会社のコンディションをまとめると、
- 一人社長(従業員も役員も自分以外いない)
- 登記している電話番号は携帯電話
- 自宅兼事務所
- 資本金は100万円
- 登記事項全部証明書には10個近い事業内容を記載
ざっとこんな感じです。
マネーフォワードの会社設立ではジャパンネット銀行がおすすめされていたので、ひとまず申し込むことに。
マネーフォワードの法人設立サービスでも紹介されているくらいだから、簡単に口座開設できるだろうと高をくくっていたので、ジャパンネット銀行からの開設完了のお知らせを待つことに。
2週間ほど(長すぎ)したら、「お断り」の通知とともに提出した書類一式が丁寧に返送されてきました。
正直、心が折れました。起業して最初のメンタルブレイクです。
ネットで出てくる「審査がゆるい」と言われるネット銀行に総アタック!
事業を始めて商談も進んでいるのに現金の受け取りができない状況は非常にまずいです。
急いで履歴事項証明書や印鑑証明書を各10通ほど取り寄せて、審査がゆるいと言われるネットバンクに口座開設書類を投げつけまくりました。
結果は前述の通り、全滅です。
ネットで「おすすめ」とか紹介されているネット銀行が全滅です。
泣きそうになりながら最寄りのゆうちょ銀行に出向き、法人口座の開設を申し込みをしたのですが、そちらも門前払いとなりました。
法人口座が簡単に作れるという地元の信用金庫も口座開設できず
さらに、ネットでは地元の信用金庫は地場経済の発展に意欲的なので、信用金庫なら法人口座を作りやすいということで、近くの信用金庫に法人口座の申し込みを行いました。
店舗窓口に出向き、書類を提出した翌日、お断りの電話がきました。
僕は地元の企業を元気にしたいと思って起業したのに酷い仕打ちです。
この金庫とは二度と付き合わないと心に決めました。笑
最終的に法人口座を作れたのは「みずほ銀行」
ひとまずネットで法人口座開設が簡単とかゆるいとか言われている有望銀行と地元の信用金庫とは残念ながら取引すらさせてもらえないとのことなので、都市銀行への申し込みをすることに。
このあたりをピックアップし、申し込みをすることに。
ネットからの手続きだけで1次審査を完結できるみずほ銀行を優先して申し込みをすることにしました。
2日ほどすると携帯に入電があり、「法人口座の開設準備が整いました」との連絡が!!
車の中でカイジのように喜びの雄叫びをあげました。
圧倒的幸運!僥倖!!
口座開設の手続きは最寄りの窓口に出向き、口座開設担当のお姉さんと書類を作りました。
ネットでは支店長面談があるとかなんとかっていう情報もありましたが、僕の場合は面談等も一切なく、書類作りだけでした。
これでようやく売り上げ金の受け取りができる。みずほ銀行さんありがとうございます!
後から知ったのですが、みずほ銀行は起業家支援に積極的に取り組んでいるようで、比較的都市銀行の中でも作りやすいみたいです。
法人口座の開設がなぜ難しいのか。政府と銀行のマネロン対策が原因?
なんでこんなに法人口座の開設が難しいのか、そして逆にどうすればすんなり開設できるのかについてお話ししていきます。
結論からお伝えすると、
仮想通貨の流行で、金融界隈では「マネーロンダリング」の対策が強化されています。
銀行各社も政府からのお達しで、法人口座開設時の審査の厳格化を要請されているとみずほ銀行の開設担当の方が教えてくれました。
法人口座開設手続きはマネーロンダリング対策で厳しくなっている
マネーロンダリングとは資金洗浄です。
麻薬取引、脱税、粉飾決済などの犯罪によって得られた資金(汚れたお金)を他人名義の金融機関の口座を利用して資金移動を繰り返し、資金の追尾を難しくする行為です。
2016年~2017年にかけてビットコインをはじめとした仮想通貨が流行し、同時にマネーロンダリング対策の強化も行われました。
いわゆるマネロン対策ですね。
これが法人口座開設の障壁になっていたのです。
とはいえ、善良なる事業を行う起業家からしてみれば迷惑な話です。
法人口座がなければ事業が進みませんからね。
さて、次項では善良なる起業家たちが無事に法人口座をスムーズにつくる秘訣を伝授していきます。
仲良しの社長さんに銀行員を紹介してもらって、法人口座開設についての裏話を聞くことに成功したので、そちらを元に紹介していきますね。
法人口座が作れないときの対処法:企業として信頼を得る
起業したばかりとはいえ、銀行からしてみれば「この企業は信頼できるのか」が一番知りたいことです。
法人口座開設は「取引の始まり」を意味しています。
ビジネスを行う者として、申し込み時点から“信頼獲得”が始まっているのです。
このマインドを持てるかどうかが大切。
個人の取引と法人の取引は全く別物なのです。
先ほどのネット銀行に申込書を連打していた僕は、「取引先」としての誠意が足りていませんでした。
申し込み用紙、添付資料には確かに会社情報の多くは記載してあります。
ですが、株式会社を1円でも設立できる昨今、その書類だけでは信頼を得ることは難しいでしょう。
申し込み書類を受け取った銀行員さんは、
- 会社設立年度
- 役員構成
- 資本金
- 事業内容
- 代表者情報
- オフィスはちゃんと借りているのか
これくらいの情報で判断をせざるを得ないのです。
となれば、当然、
- 「固定電話をちゃんと引いているのか」
- 「バーチャルオフィスではないのか」
とかの付帯情報でジャッジを下すしかないでしょう。
つまり、裏を返せば、銀行から信頼を得るために、追加の情報提供をして信頼を得ればいいのです。
法人口座開設を最短で行う工夫
銀行から信頼を得ることが法人口座開設の必勝法だとお伝えしました。
では、具体的にどのような方法が取れるのか解説します。
法人口座が作れないなら申し込み時に追加資料を用意
僕はネット銀行の法人口座開設もゆうちょ銀行も作れませんでしたが、最終的にみずほ銀行で口座開設ができました。
実はその後、再度書類を作り直し、楽天銀行をはじめとしたネットバンクでも法人口座を作ることができたのです。
今回はその手続きの際に実施した方法みなさんにも共有しておきます。
- 送付状
- 会社概要説明書(自作)
- 創業計画書
- 収支計画書
- 営業資料
- 外注先からの請求書
順番に解説します。
法人口座を作りやすくする方法①送付状を添付
送付状は気持ち程度のものだと思ってください。
例えば、取引先に何か資料をFAXする時って、送付状をつけて申し送りしますよね。
それと一緒でマナーみたいなものです。
法人口座を作りやすくする方法②会社概要説明書を作る
次に会社概要説明書を自作しました。
会社概要説明書の具体的な作り方は後ほど詳しく解説します。
法人口座を作りやすくする方法③創業計画書と収支計画書を作る
法人口座の開設に苦戦するようなら創業計画書と収支計画書も用意しましょう。
もし作ってないなら、今すぐ作るべきです。
創業計画書や収支計画書は税理士に依頼しましょう。
速攻で作ってもらえますし、この2つの書類が無いと事業運営にかなりマイナスとなります。
税理士ドットコムで税理士を探してみましょう!
法人口座を作りやすくする方法④営業資料を添付
法人口座開設の申し込み時に、自社のサービス資料や営業資料などをわかりやすくまとめて渡しましょう。
サービス資料や営業資料を提示することで、銀行や口座開設担当者に自社の事業に関する理解を深めてもらうことができます。
法人口座を作りやすくする方法⑤外注先や公共料金などの請求書を添付
法人口座の開設の申し込みをする際に、取引先への請求書があるなら、それもコピーして送りましょう。
すでに事業がスタートし、取引がある証拠にもなりますので、請求書があると便利です。
もし、まだ取引がない場合は会社名義での公共料金の支払い控えなどでもいいでしょう。
事業の存在証明ができる資料は少しでも多い方が信用してもらえます。
法人口座が作りやすくなる会社概要説明書の作り方
ここからは法人口座をゆうちょ銀行やネット銀行で作れなかった人が、口座開設をしやすくする「会社概要説明書」の作り方を解説します。
前述の通り、僕の会社は書類だけ見たらかなり怪しいです。
- 登記は携帯電話番号のみ
- 自宅兼事務所
- 事業内容にいろんな事業を書いている
- 資本金が少ない
- 一人社長
会社概要説明書では、上記のような書類上明らかに疑われそうな部分の説明を一つ一つ行いました。
- 携帯電話番号で登記している点
- 自宅兼事務所
- 事業内容
- 資本金
- 一人社長
- その他の追加資料
固定電話回線を引き、固定電話を持っている旨と電話番号を記載。携帯電話をメインにしている理由も説明。
営業とネット集客がメインなのでオフィスを起業時点では必要としていない旨の説明。
10個近く記載をしていたので、メインとなる事業がどれなのかを明記。
収支計画書を添付して、資本金が少なくても収益を上げていけるビジネスモデルであることの説得
創業した時点は一人でも、人員を増やしていく計画がある旨を収支計画書を添付して記載
営業資料や取引実績を外注先との契約書や請求書を添付して事業の存在証明
定款に事業内容を書きすぎの場合はその説明もしよう
実は僕の会社の定款の事業内容には「有価証券の投資および投資コンサルティング」という記載もしていました。
基本的に実施するつもりはなかったのですが、先々を見据えて一応追加しており、これがマネロンの疑いを強くしていたのではないかと仮説を立てています。
もちろん、会社概要説明書にも当面この事業を行う可能性がないことを追記しました。
創業計画書や収支計画書などは、個人情報などが記載されているとのことで、いくつかの銀行さんからは返却されましたが、その際には「ご用意いただきありがとうございます」と言われたり、事業に対する熱意を伝えるにはかなり有効でした。
ゆうちょ銀行で法人口座が作れなくても都市銀行で口座開設可能
法人口座の開設を簡単に行う工夫を解説しました。
ネットで簡単に作れると言われているゆうちょ銀行の審査に落ちて凹む必要はありません。
都市銀行や地方の銀行で信頼獲得をして法人口座を作ればOKです。
起業したばかりの会社が作りやすいおすすめの銀行も紹介しておきます。
法人口座開設におすすめな銀行①みずほ銀行
みずほ銀行は起業したばかりの会社が法人口座が作りやすいおすすめの銀行です。
ひとまず作っておいて損はないですね。
法人口座開設におすすめな銀行②三井住友銀行
三井住友銀行もおすすめです。
三井住友銀行の法人口座開設は早いです。
1週間程度で口座開設が完了できるので、早く口座開設がしたい人にはおすすめです。
法人口座開設におすすめな銀行②最寄りの地方銀行と信用金庫
地方銀行も比較的作りやすいですが、意外と起業したての場合はお断りされやすいです。
信用金庫も比較的作りやすい部類です。
僕の場合は1社断られましたが、もう一社はあっさり作れました。
信用金庫は法人口座は作りやすいですし、なにより、創業融資の窓口としても使いやすいので1社は作っておきたいところ。
信用金庫も会社からもっとも近い支店に出向いて申し込み手続きをしましょう。
法人口座の開設と合わせてクラウド会計を導入しておこう
ここからは後日談になりますが、法人口座開設の他に「最初からやっておくんだった」と後悔したことがあったので追記しています。
それはクラウド会計を早いうちから導入しておくことです。
経費処理や請求書発行を最初のうちは手作業でやっていたのですが、面倒なのと管理がどんどん不行届になっていきました。
それがマネーフォワードのクラウド会計ですべて解決しました。
導入したら法人口座とクレジットカードを連携しておくだけで勝手に経費精算や会計処理が進んでいくので非常に楽できます。
法人用クレジットカードも作っておくと安心
クレジットカードも法人口座と合わせて作っておきましょう。
法人用の出費をすべてクレジットにまとめれば、マネーフォワードのクラウド会計が勝手に書類の整理をしてくれるので助かります。
なるべく出費には現金を使わずにクレジット決済をすることで経費精算が楽になりますので使わない手はないです。
おすすめはマネーフォワード×三井住友VISAのビジネスカードです。
法人口座開設ができない場合の対策まとめ
法人口座の手続き自体、売り上げには一切ならない雑務中の雑務です。
だからこそ、二の足を踏まずにスムーズに手続きを進めることは、本業の進捗に大きな影響を与えます。
実際、僕も1ヶ月~2ヶ月奮闘してしまいました。
法人口座の開設のポイントは、「企業として信頼を得る」ことです。
そのために自分で出来る信頼を得る方法を考えて「追加の情報提供をする」ことで銀行さんとの信頼構築をしていく必要があります。
考えてみれば、当たり前のことですね。
用意すべき書類をしっかり用意して、手続きに望むのが得策です。
書類作成は税理士に依頼すれば安く簡単に作れます。