サラリーマンの節税のやり方は?確実に得する6つの方法を解説!

サラリーマンの節税対策

悩み
サラリーマンでも節税はできる?
少しでも税金を安くしたいです。
今の自分ができる方法は?いくら安くなる?

今回はこのような疑問にお答えするため、サラリーマンの節税テクニックを詳しく解説していきます。

サラリーマンの生涯年収の、約4分の1は税金で引かれています。生涯年収が2億円として、5000万円引かれているわけですから大きいですよね。

そんな税金の支払いを減らすための節税手法が、サラリーマンにも多くあります。この記事では、その手法を以下のポイントに分けて説明します。

この記事を読んでいただくことで、ムダに税金を支払うことがなくなり家計を改善できるようになるでしょう。

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目次

サラリーマンの節税・6つの基本テクニック

サラリーマンの節税テクニックは下の6つが基本です。

iDeCo 年金を自分で増やして節税
ふるさと納税 返礼品の価値の分得する
医療費控除 人によっては一番節税効果が大きい
住宅ローン控除 税金が10~25万円ほど減る
生命保険料控除 最大で税額が年19万減る
地震保険料控除 税額を最大1万円程度減らせる

これらは、適用対象なら「必ず得する=減税できる」ものです。それぞれリンク先で詳しく説明します。

iDeCo:年金を自分で増やして節税

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の要点をまとめると、下のとおりです。

以下、それぞれのポイントについて説明します。

年金を増やすと節税になる理由

年金はもともと、所得から引かれるものです。あなたがサラリーマンなら、すでに「普通の年金」については、会社の方で天引きしています。

そして、その天引き分を自分で増やすのがiDeCoです。こうすれば一時的に手取りの所得が減ります。その分節税になるわけです。

手取りは減りますが、将来もらえる年金は増えます。

iDeCoはただの年金でなく「投資」できる

iDeCoは普通の年金のように「貯めて、後でもらう」だけではありません。投資運用もできるのです。

iDeCoの投資で一般的なのは、投資信託。銀行や投資会社などのプロに運用を任せる(信託する)ものです。

手数料は少しとられますが、投資についてイチから勉強する必要がなく、手間もかからない点で人気があります。

その投資の利益も非課税

iDeCoで投資をしたら、利益が出ても課税されません。通常、投資で利益が出たら課税されます。

たとえば投資信託の運用益の場合「源泉分離課税で20.315%」という税率です。しかし、iDeCoではこれがゼロになります。

【参考】iDeCoとつみたてNISAで「つみたて投資」 | イオン銀行

ふるさと納税:返礼品の価値の分得する

ふるさと納税(寄付金控除)での節税の要点は、下のとおりです。

以下、それぞれの詳しい説明です。

節税というより「少し得する」手法

ふるさと納税は、厳密には節税ではありません。税額自体は減らないためです。

ふるさと納税は「納税によって少し得する」手法です。

本来払うだけの住民税に、返礼品が付く

本来、住民税は「払うだけ」で終わりです。あえて単純にいうと「何もメリットがない」のです。

しかし、ふるさと納税では「返礼品」をもらえます。この返礼品の価値の分、得するわけです。

デメリットは何もない(手続きの手間だけ)

ふるさと納税のデメリットは何もありません。「この自治体にふるさと納税をする」というチョイスと手続きは必要です。

しかし、それさえすれば返礼品の価値の分、100%得する方法なのです。

医療費控除:人によっては一番節税効果が大きい

医療費控除は、その年に大きな医療を受けた場合、一番節税効果が大きいものです。

以下、上の3つのポイントを詳しく説明していきます。

年間10万円を超えた金額が対象

まず、医療費控除の計算が始まるのは「年間10万円以上」からです。たとえば「歯医者さんの費用が年間9万円だった」という場合、医療費控除は関係ありません。

そのため「健康な人はあまり得しない」制度です(もちろん、健康な方がいいのですが)。

最大200万円まで、医療費・交通費を所得から引ける

医療費控除は、最大200万円までカウントされます。たとえば、あなたが年間医療費を「210万円」使ったとしましょう。

これなら、10万円を超えた分がちょうど200万円です。そのため、200万円がフルで所得から控除されます。

たとえば年収400万円なら、年収200万円になるわけです。税額も当然大幅に減ります。

医療費というのは、病院までの交通費や歯ブラシなどの消耗品費も含みます。

200万円にかかる税金で1~100万円税額が減る

実際に税金がどのくらい減るかですが、たとえば税率が10%~50%だとしましょう。所得が低い人は10%、高い人は50%です。

そして、医療費は「1万円~200万円」まで控除されるわけです。それを税率に当てはめると、下のようになります。

税率 医療費…1万 医療費…200万
10% 減税…1000円 減税…20万円
50% 減税…5000円 減税…100万円

「減税」の部分が「得する金額」です。全体でいうと、1000円~100万円得するということです。

健康である限り、年間10万円の医療費を超えることはあまりありません。そのため「大きな怪我や病気をした年のみ、節税効果が高い」といえます。

【参考】医療費を支払ったとき(医療費控除)| 国税庁

住宅ローン控除:税金が10~25万円ほど減る

住宅ローン控除の要点をまとめると、下のとおりです。

それぞれ詳しく説明していきます。

全額非課税になるわけではない

住宅ローン控除は毎月支払っている住宅ローンの分、所得から引かれるというものです。所得が小さくなるので節税効果があります。

ただ、毎月の支払いが全額反映されるわけではありません。

最大で年に40~50万円控除される

住宅ローン控除では、最大で年間40~50万円の控除があります。簡単にいうと、年収500万円人なら、年収450万~460万円という扱いになるわけです。

実際の金額は、住宅の耐用年数・バリアフリーレベルなど、さまざまな要素によって決まります。

税金は10~25万円ほど減る(目安)

実際の税金がいくら減るかというと、おおむね10~25万円です。住宅ローンの審査に通るサラリーマンなら、税率が25%(4分の1)はあります。

そのため、40万円の所得控除なら、税金が10万円は減るわけです。また、高額所得者なら税率が50%近くになります。

その場合、最大の50万円が控除されたら、半額の25万円が減税額となります。そのため「おおよそ10~25万円の減税」といえるのです。

(ここで書いているのは概算なので、詳しいルールは下の記事などをご覧ください)

【参考】「住宅ローン控除(減税)」の基本と計算方法(リクルート)

生命保険料控除:最大で税額が年19万減る

生命保険料控除の要点をまとめると、下のとおりです。

それぞれ詳しく説明していきます。

毎月支払う保険料の分が非課税になる

生命保険に入ると、毎月保険料を支払います。生命保険料控除は、この保険料の一部が非課税になるものです。

「全額でなく一部」というのは、住宅ローン控除と似ています。

一般生保・介護医療・個人年金の3種類の保険が対象

生命保険料控除は、下の3種類があります。

  • 一般生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除
  • 個人年金保険料控除

そして、それぞれで「税金がいくら安くなるか」という上限があります。その上限が、所得税・住民税で別々に決まっています。

所得税12万、住民税7万、合計19万

まず、所得税は3種類の控除で、以下の上限額まで引いてもらえます。

一般生命保険料控除 4万円
介護医療保険料控除 4万円
個人年金保険料控除 4万円
合計 12万円

つまり、所得税だけで「最大12万円安くなる」わけです。続いて住民税は下のとおりです。

一般生命保険料控除 2万8000万円
介護医療保険料控除 2万8000万円
個人年金保険料控除 2万8000万円
合計 8万4000円

合計は8万4000円ですが、住民税については、この合計は無視されます。「7万円が上限で、それ以上はノーカウント」というルールです。

(たとえば、2種類だけフルで引かれて5.6万円の減税はできます。3つともフルはできないということです)

所得税 12万円
住民税 7万円
合計 19万円

上記のように、生命保険料控除をフルで適用した場合、19万円税金を安くできます。

地震保険料控除:税額を最大1万円程度減らせる

マイホームなどで地震保険に入っている場合、地震保険料控除も適用できます。

以下、それぞれのポイントを解説していきます。

最大5万円まで、年間の支払いを所得から引ける

地震保険料は、もともと掛け金が安いものです。そのため、控除できる最大金額も年間5万円までと、やや小さくなっています。

【参考】地震保険料控除 | 価格.com保険

5万円にかかる税金で約1~2.5万円の減税

5万円にかかる税金ですが、税率20%なら1万円、税率50%なら2.5万円です。そのため、減税できる幅でいうと1~2.5万円となります。

少額なので「あくまでお小遣い程度の節税」と考えてください。

家計管理を完璧にしつつ、お小遣いを稼ぐ

マックスの5万円が控除されて1~2.5万円の減税なので、もっと少額になることも多いでしょう。そのため、本当の目的は「家計管理」といえます。

地震保険料控除も含めて、すべての家計をコントロールするのは、確実に良いことです。この節税効果だけでなく「支出のムダを見直す効果」が大きいでしょう。

サラリーマンの節税・4つの高度な手法

サラリーマンの節税の中でも、高度な手法を一覧にすると下の4つです。

それぞれ詳しく解説していきます。

青色申告:副業するなら大幅に得

青色申告は「副業をするのであれば」やると大幅に得します。理由は青色申告特別控除があるためです。

この控除では65万円・50万円・10万円の「いずれかの控除」を受けられます。金額が決まる条件は下のとおりです。

65万円 書類を電磁記録で保存しているか、イータックスで申告
50万円 書類を紙で保存している
10万円 青色申告承認申請書を提出したが、その年度に間に合っていない

【参考】2020年から青色申告特別控除65万円が見直しに!個人事業主は減税になるの?(弥生会計)

最後の「年度に間に合っていない」というのは、さまざまなケースがあります。僕の知人の場合、下のようなケースがありました。

  • 一度個人事業を廃業した
  • 再度開業し、青色申告の申請をした
  • しかし、その年度分の青色申告はできないと言われた
  • 翌年分から、青色申告で計算していいと言われた

簡単にいうと「実際に確定申告を青色でしたのが、約1年半後」ということです。時系列で書くと下記のようになります。

1年目途中 申請
2年目1月~12月 青色申告で計算
3年目2月~3月 青色で確定申告

このため、1年目は「10万円」になったわけです。2年目の2月~3月の確定申告では「10万円しか控除できなかった」ということですね。

このようにイレギュラーなケースでは10万円となります。しかし「最初の開業なら10万円になることはあまりない」と考えてください(10万円は白色申告です)。

法人設立:副業のレベルが上がると得

副業のレベルが上がって年収が増えると、法人化することで節税になります。一番わかりやすい基準は「年間売上1000万円以上」です。

理由は、売上が1000万円を超えると、2年後から消費税を課税されるためです。時系列でたとえると、下のようになります。

2020年 1000万円を超えた
2021年 まだ消費税なし
2022年 消費税の対象

このように「1年だけ猶予期間がある」わけです。この1年の間に、多くの人は法人化します。

なぜ法人化するのか

こうすると「消費税課税をリセットできる」ためです。まず、個人事業の売上をすべて法人に移します。すると、下のようになるのです。

  1. 2022年の個人事業は、消費税の対象
  2. しかし、売上を法人移したので「売上ゼロ」になる
  3. そのため、消費税の課税のしようがない

つまり「税率はあるけど、所得がない」ということですね。「税務署を兵糧攻めにしている」と考えるとわかりやすいかもしれません。

一方の法人はどうかというと、資本金が1000万円未満なら、個人事業と同じく消費税なしになります。個人事業と同様に「売上1000万円を超えた年の2年後から」課税されます。

極端な話、法人化したあと「ずっと売上1000万円を超えなかった」としたら、消費税は永遠に発生しません。もちろん、そのようにわざと売上を落としても意味がないので、大抵は「法人3期目から消費税を払う」ことになります。

不動産投資:大規模な副業(節税効果は最大)

不動産投資はある意味「大規模な副業」です。節税の効果は群を抜いて大きいといえます。

たとえば、賃貸経営のためにワンルームマンションを1室買ったとします。その金額が300万円だったとしましょう。

当然、初年度で回収はできません。回収できるまで、300万円の赤字が計上されているわけです。

そして、赤字があると「それを所得から引ける」のです。引いた分、所得税や住民税も安くなるわけですね。

つまり、不動産投資を始めた時点で、サラリーマンの税金の計算も自営業者と同じになるといえます。会社に管理されている分は違いますが、トータルでは「近い状態になる」わけです。

たとえば、不動産のために使った費用はすべて「経費」にできます。この点は自営業者にそっくりと言えるでしょう。

(もちろん、ムダに経費を出すのは本末転倒なので注意してください)

【参考】サラリーマンの「不動産投資」本当に節税になる!?落とし穴もズバリ解説 | オウチーノ

経費算入:スーツなど(現実には難しい)

スーツやパソコンなど、サラリーマンとしての仕事に必要な支出もあるでしょう。これらは、一応経費算入できるものです。

ただ、現実には難しいといえます。その理由を説明します。

「特定支出控除」になる条件が厳しい

サラリーマンの支出が経費として認められるのは「特定支出控除」と認定された場合です。この条件が厳しいのです。

  • 給与所得控除の「半額」を超えないといけない
  • 年収500万円なら、給与所得控除は154万円である
  • その半額は77万円である

つまり「77万円以上使って、ようやく特定支出になる」ということです。それも、77万円までの分はカウントされないわけです。

80万円使って、対象金額は3万円だけ

たとえば、スーツやパソコンに80万円使ったとします。このとき、上の計算だと「3万円だけ対象」になるのです。

3万円にかかる税金は、3000円程度です。明らかに、80万円も自腹を切る意味がないですよね。

特定支出控除は「自腹」でないといけない

このルールは「コストを全部自腹で払った場合」に適用されます。つまり、ほとんどのサラリーマンにとって「メリットが何もない」のです。

よって、ルールはあるものの、現実に使われることはほとんどありません。ただし、高額所得者のサラリーマンで、自腹の支出が多いという場合は、もちろん適用できます。

【参考】サラリーマンがスーツ代も飲み代も経費にできる?控除とは(フィナンシャルフィールド)

まとめ:本末転倒にならない節税をしよう

サラリーマンでも自営業者でも、節税はしばしば「本末転倒」になるものです。たとえば、経費を増やせば確かに税金は減ります。

しかし、その経費は自分で支払っているため、トータルでは損しているのです。国や地方に少し税金を払ってでも、利益を出す方がいいわけですね。

サラリーマンのあなたが節税に励むときも、このように「トータルの利益」をよく考えてください。

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