ブラック企業で働きたくありません。
今自分がいる企業はブラックなのでしょうか?
ブラック企業の見抜き方を知りたいです。
今回はこういった悩みを解決いたします。
元社畜でありながら、採用コンサルとして仕事をしていた僕が実際の経験とプロの視点で解説します。
- ブラック企業とは?
- ブラック企業が増えている
- ブラック企業の見抜き方
- 新卒でブラック企業に入社すると悲惨
この記事を読んだあなたは転職時に求人票を見ればブラック企業が見抜けるようになります。
3分ほどお付き合いください。
ブラック企業とは?ブラック企業の種類を解説
ブラック企業とは明確に言葉として定義されているわけではありません。
ですが大きく2つのタイプのブラック企業があります。
1つ目は「新興産業において若者を大量に採用し、過重労働・違法労働・パワハラによって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業」です。
また2つ目は「従業員が辞めること前提で大量に雇用して、過酷な労働を強いること」です。
最近ではブラック企業ランキングなども非公式ですが発表されており、世間のブラック企業に関する関心は高まっているものと考えられます。
どちらのタイプのブラック企業も現在の日本では急増しているというのが現状です。
ブラック企業が増えている
近年ブラック企業の数が急増しています。
ブラック企業が急増している理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 日本の市場が縮小しているから
- 企業間の競争が激化しているから
- 日本の企業は簡単には解雇できないから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラック企業急増の理由①日本の市場が縮小しているから
ブラック企業が急増している理由として、日本の市場が縮小しているからというのが挙げられます。
高度経済期の日本は人口の増加も相まって、経済市場は急激に拡大していきました。
経済成長率も毎年5%以上といった数字を出しており、普通にやっていれば毎年企業は伸びていくというのが当たり前でした。
しかし現在の日本は少子高齢化社会に悩まされています。
日本の人口は50年で4分の1になるという試算も出ていますし、日本の総人口に占める労働人口の割合は下がり続けます。
日本の市場が縮小したときに企業が取る行動としては、海外進出かコスト削減ですよね。
基本的にはこのどちらもを行うという場合がほとんどです。
そんななかで適切にコスト削減が行われればいいのですが、これらを無理やり社員に負担させることによって企業がブラック化していきます。
ブラック企業急増の理由②企業間の競争が激化しているから
ブラック企業が急増している理由として、企業間の競争が激化していることが挙げられます。
数十年前までは、日本企業が世界中を席捲していた時代がありました。
車は日本車、電化製品もすべて日本製という時代がありましたよね。
しかし現在はそうではありません。
自動車に関してはまだまだなんとか粘っていますが、電化製品に関しては、完全に韓国製や中国製のものに追い越されてしまっていますよね。
また、自動車や電化製品のみならず、ネットサービスにおいても競争が激化しています。
アメリカのGAFAをはじめとする巨大企業に完全に市場を掌握されてしまっているのが今の日本です。
グローバル化によって国内のみならず、世界的な企業間の競争に巻き込まれてしまっています。
そんな中でグローバル化に敗北したしわ寄せが来るのが社員です。
サービス残業や賃金未払いといった形でブラック企業化してしまいます。
ブラック企業急増の理由③日本の企業は簡単には解雇できないから
ブラック企業が急増している理由として、日本の企業は従業員を簡単に解雇することができないからというのが挙げられます。
日本は終身雇用制度ですのでスキルがなかったり人員を削減したいからと言っても簡単には従業員を解雇することができません。
ですので、何のスキルもないまま長い間企業に勤めており、まったく仕事をしないという会社員が存在します。
ですが日本は年功序列制度ですので、そういった社員の給料がやけに高いということもあります。
そういった社員の給料が積み重なって会社の経営を圧迫しているのですが、簡単には辞めさせることができないので、そのまま放置されているというのが現状です。
「窓際族」などと言って、自主退職を促すためにわざと阻害されるような状況に追い込むこともありますが、それも一種のブラック企業ですよね。
こういった従業員のしわ寄せが真面目に働いている従業員にブラック企業という形で表れててしまいます。
ブラック企業の見抜き方|特徴を解説
ブラック企業が急増しているということはお分かりいただけたかと思います。
ですので就職・転職の際には、志望する企業がブラック企業なのかどうかを見抜かなければなりません。
ブラック企業かどうかを見抜く方法は多数あるのですが、今回はその中でも最も有効的な方法3つを紹介いたします。
なお今回紹介する3つは、いずれも厚生労働省がブラック企業に見られる特徴として挙げているものです。
- 極端な長時間労働やノルマを課す
- サービス残業やパワハラなどコンプライアンス意識の低さ
- 上記のような状況下で労働者に対して過度の選別を行うこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラック企業の見抜き方①極端な長時間労働やノルマを課す
ブラック企業は、極端な長時間労働やノルマを課します。
長時間労働に関しては、残業代がきちんと出ていてももちろん当てはまります。
長時間労働の見抜き方としては、就職活動や転職活動の際に残業時間について質問してみるといいでしょう。
もちろんその場で正直に答えてもらえるとは限りません。
むしろブラック企業が自分でブラック企業だと名乗るはずもないので、残業時間についても嘘を答えると考えられますよね。
残業時間を尋ねた時に明確な数字ではなく「そこそこある」などと濁された場合には、長時間労働を課せられる可能性があることを疑った方がいいでしょう。
また、ノルマに関しても極端に多いノルマが課せられてそれを他人に任せられない、相談できないといった場合はブラック企業である可能性が高いです。
これは転職サイトなどに寄せられている元従業員の意見を参考にするといいでしょう。
ブラック企業の見抜き方②サービス残業やパワハラなどコンプライアンス意識の低さ
ブラック企業は、サービス残業やパワハラなど、コンプライアンス意識の低さが目立ちます。
サービス残業はもはやブラック企業の代名詞のようなものですよね。
通常は5分単位や1分単位で残業代が出るのですが、そうでなかった場合はすぐにブラック企業だと認定してしまっていいでしょう。
また、パワハラに関しても同様です。
通常、企業で働いていて大声で罵倒されることはあり得ません。
他にも、有給とは名ばかりで有休を消費するという文化がない会社も多数存在します。
有休が消化されるのかについては、面接時にも確認することができます。
ちなみに、現在は有給消化が義務化されていますので、有給が使えないのであれば、労働基準監督署に訪問しましょう。
参考:厚生労働省|2019年から年間5日間の有給消化義務付け
ブラック企業の見抜き方③上記のような状況下で労働者に対して過度の選別を行うこと
ブラック企業は上記のような厳しい状況下で労働者に対して過度の選別を行うことが多いです。
具体的には、長時間労働やパワハラなどで従業員を精神的にも体力的にも追い込み、
「お前の代わりはいくらでもいる」
「どうして○○みたいにできないのかねぇ」
といった言動を浴びせます。
ブラック企業だと気づくことができて、転職をしようと考えたとしても
「お前の代わりはいくらでもいる。お前は社会では通用しない」
などと言われることによって、
「ブラック企業できついけど自分にはここしかない」
という風に錯覚させられてしまいます。
そうなってしまったら後はどんどん泥沼にはまっていくだけです。
こういった言動が見られたらそれは確実にブラック企業ですので、転職もしくはすぐにでも会社をやめましょう。
新卒でブラック企業に入社すると悲惨
また、新卒で1社目に入った企業がブラック企業だった場合は、さらに悲惨です。
理由としては以下の3つです。
- 新卒カードを失ってしまうから
- 会社とはそういうものだと思い込んでしまうから
- 生活スタイルが急変して気を病むから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
新卒でブラック企業に入社すると悲惨な理由①新卒カードを失ってしまうから
新卒でブラック企業に入社すると悲惨です。
理由としては貴重な新卒カードを失ってしまうからです。
日本の就職市場では、新卒であることが何よりも重要視されていますよね。
仮に能力があるとしても新卒と転職では難易度が変わってきます。
新卒ですと入社後に社会人としての基礎を研修などで学ぶことができるのですが、そこをブラック企業で過ごしてしまうと悲惨です。
新卒でブラック企業に就職して、ブラック企業だと気づいて転職を考えたとしても、転職時には社会人としての基礎が備わっていることは当たり前として考えられます。
ブラック企業でそういった研修が不十分なまま転職をすることになり、転職もうまくいかず今後のキャリアが傾いてしまいます。
新卒でブラック企業に入社すると悲惨な理由②会社とはそういうものだと思い込んでしまうから
新卒でブラック企業に入社すると悲惨な2つ目の理由としては、会社はそういうものだと思い込んでしまうからです。
新卒で入社した企業がブラック企業であったとしても、新卒で会社とは一般的にどのようなものかということが分かっていないので、ブラック企業だと気づけないことがあります。
そして「社会人だからこれくらい当たり前」という風に思い込んでしまってブラック企業に耐え続けねばならなくなります。
悪いのは企業ではなく自分という考えになってどんどん消耗してしまうでしょう。
就活の時点でしっかりとブラック企業かどうかを見極めることが重要ですね。
新卒でブラック企業に入社すると悲惨な理由③生活スタイルが急変して気を病むから
新卒でブラック企業に入社すると悲惨な3つ目の理由としては、生活スタイルが急変して気を病むからです。
学生時代の生活から急にブラック企業の中で生活を送ることになると、変化に気持ちが付いて行かずに気を病んでしまって、うつ病などの病気になってしまうことがあります。
せっかく学校を卒業して社会人になったのに、そんな目に合ってしまうのは嫌ですよね。
ブラック企業で長時間労働が当たり前になると、家に帰る時間も必然的に遅くなってしまいます。
家には寝に帰るだけという状況になり、好きなことをする時間は全くないかもしれません。
そういう状況になる前に、少しでも「うちの会社おかしいかも」と感じたら周りに相談したら転職を検討したりしましょう。
求人票からブラック企業を見抜く方法
ここまでブラック企業の特徴を解説してきました。
そしてブラック企業に入社してしまった場合の未来も想像できたでしょう。
あるいは既にブラック企業と疑わしい企業に勤めている人なら自分の企業がブラック企業だと確信したのではないでしょうか。
ここからは転職時にブラック企業を求人票から見抜く方法を解説します。
- 報酬の設定方法が雑
- 残業代に関する表記が見当たらない
- やたらと大量に人材を募集している
- 求人広告がアバウトな表現ばかり
- メリットより「やりがい」ばかりを推してる広告
順番に解説します。
求人票でのブラック企業の見抜き方①報酬の設定方法が雑
求人票からブラック企業を見抜く方法の一つ目は「報酬の設定方法が雑」という点です。
ブラック企業は給料を曖昧に設定しがちです。
「月給18万円〜35万円」
「年収350万円〜650万円」
このように求人票に書いている給料の設定の幅が広すぎる場合は注意が必要です。
どういう場合に月給35万円になるのか。
どんなスキル・条件があれば年収650万円になるのか。
ホワイト企業なら報酬設定の根拠を明記している場合が多いです。
明らかに適当に給料の幅を設けていると判断できるならブラック企業の臭いがします。
もし、面接などにいくのであれば「どんな条件ならその給料になるのか」を面接官に聞いてみましょう。
「やる気があるやつ」
「頑張ってるやつ」
「できるやつ」
こんな感じでアバウトな返答であれば、求人票に書いている「高い方の給料」を手にするのはほぼ無理だと思ってもらってOKです。
求人票でのブラック企業の見抜き方②残業代(みなし残業)に関する表記が見当たらない
ブラック企業は残業代をうやむやにするのが得意です。
当然、求人票に残業代についての表記はないでしょう。
「みなし残業」とは、予め〇〇時間を残業の有無にかかわらず、残業したことにして、固定の残業手当てを支払うという制度です。
固定残業代などということもあります。
上記の厚生労働省の指示にもある通り、企業には固定残業代(みなし残業)制度を使う場合は必ず求人票に明記する義務があります。
求人票に残業代について表記がないのに、面接に行って求人票の給与が残業代込みだったとしたら、ほぼ黒ですね。
求人票をちゃんと作れない会社は僕の採用コンサルの経験上、98%ブラック企業です。
ホワイト企業は求人票を法令遵守で作ります。
求人票でのブラック企業の見抜き方③やたらと大量に人材を募集している
ブラック企業の求人票で気を付けるべきは「大量募集」です。
大量募集している企業のすべてがブラック企業というわけではないので、見極めは難しいです。
しかし、ブラック企業は人材が辞めやすいので、常に求人を出していたりします。
本当は1名しか採用予定じゃないのに、応募を集めたくて「20名の大量募集!」などの誇大広告を出す企業もあります。
事業内容を確認して明らかに人員が必要なさそうなのに大量募集をしているようだったら注意が必要です。
求人票でのブラック企業の見抜き方④求人広告がアバウトな表現ばかり
ブラック企業の求人票からは曖昧な表現でなんとなく良さそうな雰囲気が感じられます。
というのも、ブラック企業は「良く魅せる才能」があります。
「アットホームな環境」
「風通しの良い職場」
「やりがいを感じる仕事」
「やりたいことが実現できる」
「スキルアップできる」
このような定番な文言でいかにもキラキラした感じが出ている場合は注意です。
「具体的に何が?」という根拠が見つからないようであれば危険です。
職種名が見慣れない横文字になっているのも注意です。
- インサイドマーケター→テレアポスタッフ
- セールスアドバイザー→販売員
- 〇〇コンサルタント→ただの営業スタッフ
- コアメンバー募集→ただのスタッフ
- 幹部候補募集→ただの正社員
こういう職種の言い換えをうまく使ってくるのがブラック企業です。
注意しましょう。
求人票でのブラック企業の見抜き方⑤メリットより「やりがい」ばかりを推している広告
ブラック企業の求人票には「やりがい」が多用されています。
これもブラック企業を見抜くポイントです。
やりがい搾取という表現もあるくらい「やりがいがある仕事だけど給料は安い」という仕事はたくさんあります。
給料で他の企業との人材獲得戦争に戦えないブラック企業は「やりがい」を全力で推してきます。
ホワイト企業にはやりがいと仕事に見合う給料がセットでついてきます。
ブラック企業の見抜き方まとめ
以上、ブラック企業の見抜き方について解説いたしました。
残念ながらブラック企業は日本のいたるところに存在しています。
ブラック企業を避けるには、就職転職前の事前の情報収集が必要不可欠です。
また、もしブラック企業に就職してしまった場合には、いち早く転職することを考えましょう。
今回は以上になります。