今回は、チャート分析をするのに欠かせない「トレンドライン」の引き方について解説をします。
トレンドラインの引き方を知らずにトレードをすることは「わざわざ損失をするためにトレードをする」行為に近いです。ぜひこの記事を読んでトレンドラインについて理解してください。
トレンドラインとは?
トレンドラインは、為替の「トレンド」に沿って引かれたラインです。具体的には以下の画像のようなラインの事を指します。
FXの「トレンド」とは?トレンドが重要な理由は?
そもそも「トレンド」とは何なのか?と思う方もいると思います。
「トレンド」は、通常は「流行」や「流れ」という意味で使われます。2019年にはタピオカがトレンドになりましたよね。
FXの場合のトレンドは「価格の方向性」を意味しています。もう一度先ほどの画像を観てみましょう。
この画像を見ると、為替の価格がどんどん上昇していることが分かります。為替の価格が上昇を続けることを「上昇トレンド」と呼びます。
逆に、上のように為替の価格がどんどん下落している状態を「下降トレンド」と呼びます。
なぜ、チャート上に線を引いてまでトレンドを把握する必要があるかというと、トレンドが分からない状態ではトレードで勝つことが非常に難しくなるからです。
トレンドは、為替の価格の流れです。流れが上向きなのか下向きなのか、つまり「上昇トレンドか下降トレンドか」が分からなければ、為替が高くなるか安くなるかの予想なんて絶対にできません。
もしも下降トレンドにもかかわらず、買い注文を出してしまうと、大損してしまうことは考えるまでもありません。
これは川の流れに逆らってボートを漕ぐのと同じくらい無謀な事です。
逆に言えば、トレンドを把握してFXで買いをするか売りをするかが決められれば、川の流れに沿ってボートをこぐように、簡単に利益を出すことも難しくはありません。
トレンドラインを引く=為替の方向性の可視化
→トレード戦略を立てやすくするアシストツール
トレンドラインの引き方-ローソク足のヒゲで引く?胴で引く?-
トレンドラインの話をすると必ず話題に上がるのがこれ。
トレンドラインを引く際はローソク足のヒゲを基準にするか、始値・終値を基準にするか迷うよね
結論から言うと、「FXの場合はどこから引き始めてもOK」です。
参考までに株の場合を説明します。
株取引は「日足以上の期間は始値終値を基準にする。日足より短い期間はヒゲを基準に引く。」という方法が一般的。
これは、株の場合は日足以上であれば市場の始まりと終わりが最も売買が活発であるため、始値終値を基準にするのです。
ただし、FXの場合は基本24時間取引が行われるので、ローソク足のヒゲでも始値終値でも、どちらを基準にとっても大丈夫です。
ご自身の感覚で、より良い反応が見つかるラインの引き方を試してみれば良いです。
楽してトレンドラインを引く!?200日移動平均線の活用方法
実はわざわざ自分の手で引かなくても、疑似的なトレンドラインをチャート上に表示させることが出来る「裏技」があります。
それは、期間の長い移動平均線を利用するという方法です。具体的には、下の画像のように200日移動平均線を表示します。
この画像の場合は、下降トレンドが形成されていることを移動平均線の方向をみて把握することもできますね。
- 人の手ではなく機械的にラインが引かれるのでバイアス(先入観)のない分析ができる
「ちょっと最近トレンドの把握が上手くいかないな」と感じた時は、一度200日移動平均線を表示して客観的なトレンドを把握してみてはいかがでしょうか。
トレンドラインだけでトレードには勝てるか?
FXでトレンドを把握することが大事だという事は分かってもらえたと思います。
しかし、「トレンドラインだけでFXで勝てるか」という話です。
結論、そこまで甘くないです。が、対策もあります。
ここからはトレンドラインの弱点とその克服方法を解説していきます。
トレンドラインの弱点は?
トレンドラインだけでFXで勝つのは非常に難しいです。理由としては2つあります。
- あくまでもトレンドの方向性を測るだけ
- トレンドラインにはバイアスが入ってしまう
1つ目は、トレンドラインではあくまでもトレンドの方向性しか測れないからです。
トレンドラインでトレードを行う場合は、トレンドラインのラインブレイク(ローソク足がラインを大きく貫くこと)を狙う方法しかありません。
トレンドラインのブレイクは、ローソク足の期間が長期になるほどタイミングが少なくなり、短期になるほどダマシが多くなります。
いずれにせよ、トレンドラインのブレイクだけでトレードの判断をするのは難しい事が分かります。
もう1つの理由は「トレンドラインにはバイアスが入るから」です。
自分の手で引くトレンドラインには、どうしてもバイアスが入ってしまいます。
自分自身では何の意識もしていないつもりかもしれませんが、「ここから上がるのではないか」「この当たりが多分天井だろう」という無意識な思い込みがトレンドラインを引くのに少なからず影響を与えてしまいます。
特に初心者のこういった「思い込み」 によるトレードは負けに繋がります。
そのため、「バイアスの入っていない客観的な指標」と組み合わせることが大切になります。
トレンドラインと「オシレーター指標」を組み合わせよう!
トレンドラインの弱点が分かったところで、今度は対策を覚えていきましょう。
トレンドラインの弱点を補う「客観的な指標」として、僕は「MACD」とトレンドラインを組み合わせることをおススメします。
トレードのタイミングとしてはコレ。
- トレンドラインのラインブレイク狙い
- ラインブレイクと同方向のMACDトレードサイン狙い
例えば、下の画像のドル円チャートを見ると、トレンドラインをブレイクすると同時にMACDが売りサイン(0ラインを下回る)を出しているタイミングで、レートが暴落していますよね。
〇印を付けたポイントの手前でも若干ラインブレイクをしていますが、この時点ではMACDは0ラインを切っておらず、結果的にダマシとなって少し上昇を継続していますよね?
このように、MACDとトレンドラインの両方を見てトレードを行うことで、チャンスをつかむ可能性を上げると同時に、悪いタイミングでトレードをすることを防ぐこともできるようになります。
まとめ
今回はトレンドラインについてまとめました。トレンドラインは、FX取引をするのに欠かせない「トレンドの把握」をするのに必須です。
トレンドラインを引くのに慣れるためには、「1に実践、2に実践」です。まずはトレンドラインを引くことができるFX会社で口座開設をして、実際にラインを引いて
みて感覚をつかんでみましょう!