テクニカル分析・ファンダメンタル分析を勉強して自分自身のトレード手法を確立したのに、FXで勝てないという方が非常に多いです。
そのような、勉強をしても勝てないトレーダーで最も足りていないのは「トレーダー心理学」の知識です。
また、「心理学なんて不要だ」と考えがちなトレーダーは、FXトレーダーが勝ち組になれない原因である「7つの大罪」を犯してしまっている可能性が非常に高いです。
そこで、今回は全米最強のトレーダー養成機関「プリスティーン」が出版した「デイトレード」に記載されている、「トレーダー心理学の重要性」と、「FXトレーダーが犯す7つの大罪」、および「7つの大罪を未然に防ぐ対策」について、複数回に分けて解説をします。
- トレーダー心理学が重要な理由
- FXトレーダーの大罪①「損切りできない」の原因と対策
- FXトレーダーの大罪②「利益を勘定する」の原因と対策
トレーダー心理学が大事な理由
トレーダーの7つの大罪とその対策について解説する前に、トレーダー心理学がいかに重要なのかを説明したいと思います。
- 考え方を軽視してはいけない
- 大損してしまう原因は自分にある
- 「トレーダー7つの大罪」から対策していく
詳しく解説していきますね。
トレード手法にこだわりすぎて考え方を軽視している
「トレードに精神論なんか一切必要ない」と考えているトレーダーは少なくないです。
そんな方は必ずと言っていいほど、トレーダー心理学について説明すると「そんなことはどうでもいいから具体的に勝てるトレード方法を教えてくれ」と懇願します。
手法だけに重きを置き、自分自身の精神面に重要性を見出さない姿勢は、適切な思考が適切な行動(トレーディング)に結びつくことを認識できていない証拠です。
あなたが知っているプロトレーダーを観察してみてください。
真の勝ち組トレーダーが用いる手法やツールは、あなたが理解できない事ではないはずですし、なんならあなたが一度は目にしたり実際に使ったりしたことがあるものではないでしょうか?
であれば、あなたとプロのトレーダーとの決定的な違いは手法やトレード術ではなく、他の部分にあるのではないでしょうか?
大損してしまう原因は自分にある
トレードの知識のみを身に付けたトレーダーは、例えるなら「道具だけを手に入れた大工」のようなものです。
大工道具を手に入れただけでは、名大工にはなれません。それぞれの道具を使いこなして活用できてこそ名大工なのです。
トレーダーが活用できる道具の中で最も優れているのは「自己の心」です。
自己の心がしっかりと機能しなければ、どれだけ立派な「テクニカル分析」「ファンダメンタル分析」を知識として持っていようが勝つことは不可能です。
間違った心の使い方や非生産的な心の使い方は間違いなく身を滅ぼします。
トレーダーは、トレーディング手法や技術などの適切な道具を身に付けながらも、思考過程が間違っていれば、やはり身を滅ぼすことを忘れないようにしましょう。
まずは「トレーダー7つの大罪」を知ろう
「トレードにおける心の使い方なんて抽象的すぎる」と思われる方も多いと思います。
実際に、トレーダー心理学はファンダメンタル分析やテクニカル分析と比較して抽象的な解説に留まる場合が多く、身に付ける以前に知識として理解するのに時間がかかります。
しかし、「トレーダーの心の使い方によって生じる失敗」は実は大きく分けて7つに分類され、その「7つの大罪」を予め防ぐ具体的な方法というものもあります。
「トレーダーの7つの大罪」は具体的には以下の7つのことを言います。
- すぐに損切りができない
- 利益を勘定する癖がある
- 予め決めていた時間軸を変更して損切りしない理由を探す
- トレードの前後に、より多くを知ろうとする
- 利益を得て、過度に自己満足に陥る
- 「結果良ければすべてよし!」間違った勝ち方をしている
- 「ミス・大罪を犯したこと」の正当化をする
1つでも身に覚えがある方は、トレードの結果が芳しくない原因は必ずあなたの心にあります。
しかし、それぞれの大罪について原因や対策方法がありますし、今日から実践することができます。
いま勝てていないトレーダーの方は、必ずこの記事を最後まで読んでください。
勝てないFX初心者が大損する理由①すぐに損切りができない
「損切りができない」は最も多く最も、大きい大罪です。
トレーディングを続ける限り、どのようなプロトレーダーでも損失は免れません。
ここでは、なぜ「すぐに損切りができない」 が大罪なのか、またその大罪を事前に防ぐ具体的な方法を解説します。
- FXトレーダーにとって最も貴重なものを知る)
- 「損切りができない」を排除する
損切りができないとFXトレーダーにとって最も貴重なもの失う
「損切りができない」という大罪を犯すと、トレーダーにとって最も貴重なものを失います。
トレーダーにとって最も貴重なもの、それは「元手」です。
トレーダーが元本の目減りを防ぐために可能な限りの手段を講じなければ、「FXトレードからの退場」という最悪な結果が待ち受けています。
「FXトレードからの退場」を防ぐには、早期に少額で損失を実現することが唯一の手段です。
早い段階で、しかしコントロールされた損失を実現しなければいけません。
そのためには、「損失は必ず存在し続ける」ものであるという事実を受けいれなければいけません。
「損失は必ず存在し続ける」ことは、冷静に考えれば当たり前に聞こえますが、この当たり前なことが分かっていないFXトレーダーは多いです。
「損失は必ず存在し続ける」ことが分からないトレーダーは、損失が生じる原因を市場以外の外的な要素に求め、頻繁に「FX会社」や「トレード手法」、「購読するニュース会社」を変えます。
そして損失状況を一切確認せず、「プロのトレーダーしか知りえない必勝術(聖杯)」を求め続けるのです。
ハッキリ言って、聖杯なんてものはこの世に存在しません。
トレーディングで成功するか否かは、「いかに損失をコントロールするか」によって決まります。
熟練したトレーダーになることを望むのであれば、存在しない聖杯を追い求めるのではなく、損失をコントロールするというプロの負け方を学ぶことが重要なカギとなります。
「損切りができない」をいかに排除するか
「損切りができない」を排除する方法として、ポイントは2つあります。
1つは、新規にトレードを始める前に損切りをする水準を決めておくことです。
損切りの水準を予め決めずにトレードをすることは、ブレーキのない車で下り坂を全速力で下るようなものです。
結果的に事故を起こさない可能性はありますが、予想外の出来事が起こってしまえば大事故を避けるすべはありません。
2つ目は、1つ目においてあらかじめ定めた水準で損切りを実行することです。
しかし、損切りをすることは自分自身の誤りを認めることでもあります。
これは熟練したトレーダーでも難しいことです。
そこで、初心者のトレーダーでも出来る「損切りができない」を排除する具体的なトレードルールとして、以下の3つを定めることをおススメします。
- 新規注文前に損切りの水準を定める
- 新規注文と同時に損切りの逆指値注文も発注する
- 損切り注文をキャンセルしない
また、ある程度トレードに慣れてきたら実践してほしいのが「予想外の値動きをした場合にポジションの半分を決済する」ことです。
あなたが考えている間でも、市場は動き続けます。
利益・損失に関わらず、「なぜ予想外の値動きをしているのか?」と疑問が沸いた場合は、疑問の理由を探し求める前にポジションを半分決済する癖をつけることにしましょう。
勝てないFX初心者が大損する理由②利益を勘定する
すべてのFXトレーダーの目的と関心は「利益を上げること」であることは言うまでもありません。
莫大な利益を上げる事ができる可能性こそが、ほとんどのFXトレーダーの心に火をつけ、向上心を上げます。
利益が第一の目的ではあるのですが、トレードをする際は利益を勘定することが破滅への入口になります。
- トレード中は損益のことは忘れること
- 「利益を勘定する」をいかに排除するか
「利益を勘定する」となぜ大損してしまうのか
「利益を勘定する」とは、すなわち以下のような行動を指します。
- 保有しているポジションの利益や損失を眺める
- 利益がいくらくらいになるか、予想して期待する
保有しているポジションで利益が膨らんだとか損失が膨らんだとか を常に見ていることは破滅的な行動であり、大きく利益を上げる機会を奪い去るものです。
ポジションの利益を勘定することは、恐怖を増幅するだけではなく、その時々の不確実性を助長し、適切なFXトレードを邪魔する要因にもなり得ます。
少額な利益を眺めて、損失の転じるのが怖くなり利益確定をした結果、大きな上昇直前で利食ってしまった経験はありませんか?
損益を眺める行動は、自分が何をすべきではなくどこにいるかを探しているに過ぎません。
私たちトレーダーは、いついかなる時でも自らの選択する手段が健全であるかどうかに注意を払わなければいけません。
「ポジションを取るタイミングは適切か」
「損切り水準の設定は合理的か」
「いくらになったら利益確定をするか」
そして、最も大切なのが「自分自身で設定した目標を達成した場合、どの様な行動をとるか」です。
「利益を勘定する」を排除して大損をしない事
「利益を勘定する」 を排除する方法は簡単です。
予め、利益確定・損切りの水準を定めておく、そして基本的にはあらかじめ定めた水準以外では決済をしなければいいのです。
トレード前には逆指値による損切り決済だけではなく、指値による利益確定注文も同時に発注するようにしましょう。
ただし、どうしても決済の水準まで我慢ができなくなった場合は、ポジションの半分だけを決済するようにしましょう。
半分は自分の感情による決済となりますが、残り半分は戦略的なトレードとなり、「利益の勘定」の罪を軽減させることができます。
まとめ
今回はFXトレーダーが「トレーダー心理学」について学ぶことの重要性と、トレーダー7つの大罪、および7つの大罪のうち2つについて紹介しました。
今回紹介した
・損切りができない
・利益を勘定する
という2つのFXトレーダーの大罪は、FXで勝てずに悩んでいる方なら必ず犯したことがあるとでしょう。
ここで紹介した大罪に対する対策をしっかりと身に付け、1日でも早く勝てるトレーダーの心を養えるようになりましょう。
また、残り5つのトレーダーの大罪についても、別記事で解説します。
テクニカル分析やファンダメンタル分析の勉強をしても勝てない方は、必ず読んでくださいね。